NHK第一放送(AMラジオ)で2012年3月11日22:10から24:00まで放送していた「東日本大震災1年災害時のラジオの役割は」という番組を聞いてました。
前半は地震発生からの報道を振り返るという内容。
時系列でそのときどのような放送をしていたのかを実際に放送していた内容を流して振り返るという内容でした。
今回の番組では地震直後、大津波警報が出たあとも。
テレビとラジオの同時放送であったこと。テレビでは同時に複数の情報を伝えられるが、ラジオでは音声のみであるという制約。それをじっくり振り返り、実際に被災した方からの「声」はどうだったのか、その反省は何だったのか、という「災害時の公共放送はどうあるべきか」「災害時に何をどう伝えるべきか」となかなか難しい問題を扱っていて放送を聞きながら私も考えさせられました。
「津波の第一波は○○センチ」という放送を聞いて緊張感が無くなったという「被災者の声」、「もっと命令口調であっても良いのではないか」という意見、テレビとラジオの同時放送であることの制約、全国一律での放送の限界など課題が浮かび上がっていました。
もっと具体的にどういう放送が、という例では、当日の茨城県大洗町での防災無線(バス通りより海側はすぐに避難を。○○地区は急いで避難を)が取りあげられていました。(より具体的、命令口調での放送)
とはいえ、防災無線って全国どこにでもあるわけでは無いんですよね。東京都区内は都市防災や光化学スモッグの警報として使われているけど、地方でも内陸だと時報に使われているぐらいのもの。スピーカの数も少ないし、気密性の高い最近の住宅だと聞こえないようなもの。実家のある市ではそういう放送を聞いたこと無いですし。
閑話休題。3月11日の夜からは各地域ごとの放送(番組では仙台局での放送が使われていました)ではより地域に密着した内容になっていって、当日の寒い部屋の中で実際に聞いていた放送が番組で流れて「そうだったよなぁ」と思い出したりして。
番組後半では県単位より細かな放送、コミュニティFMの話題が。
コミュニティFM局って電波規制の緩和に加え、阪神淡路大震災の教訓も入っていたんですね。
より地域の情報ということで、番組では宮城県名取市のコミュニティFM局の方が出演されていましたが、全員が素人で始まったとのこと。(放送関係者がいない状態でのスタート)
当時は私が住んでいる市でもコミュニティFM局をやっていて、「ドッグフードはどこで買える」という情報を聞いていたのを思い出しました。
行政が関わらない形でのボランティアで放送を開始、それを維持するための苦労が伝わってきました。
「平成の大合併」で合併した自治体では、バラバラの防災無線、これをラジオに統合していこうという実際の話があったり(静岡県の自治体だったかな)、防災無線の内容を同時にラジオで流すという話もあり、なるほどなと。行政がコミュニティ局を積極的に使うということ。
各世帯は自治体からの情報をラジオで得ることができるという仕組み。他局も聞くことができるラジオだけど、どれくらい根付くかが課題とのこと。(仕舞いっぱなし、放置したままだと、いざというときに使えない)
私の場合、中学生の頃から「夜はラジオ」って感じで、家でもクルマでもラジオを聞くことが多いんですが、最近は「ラジオが無い」のが普通なんですね。
たしかに震災直後はラジオが売り切れて、電池が売り切れて・・・という状態でしたものね。
新聞の最後の面が「ラテ欄」から「テレビ欄」になって随分経ちますが、「ラジオの番組表」は紙面の中の方に。(新聞によっては中央の見開きページに配置してたりしますが)
民放はradiko(対応は各民放局次第)、NHKは「らじるらじる」(NHK第一、第二、NHK-FM)でInternet経由で放送を聞くことができるようになり、「ラジオを聞くための敷居」は下がったと思うんですが、実際どのくらいの方が使っているのかなと。加えて思うのはIP網に依存しちゃって大丈夫?ってこと。
昨年の震災を通じて感じたのは、停電になったらInternetは使えないということ。
そして、阪神淡路大震災の際に活躍した携帯電話も大きな災害があれば繋がりにくく、基地局の停電が長引けば使えなくなるということ。
私の場合、幸いにも住まいは大丈夫だったこと、うちには何台もラジオがあったこと、電池(エネループなどの二次電池含め)がたくさんあったので情報を得るということに関しては「軽傷」でしたが、震災後にラジオを買ったという人は現在どれぐらい使っているんだろ。アルカリ電池を入れっぱなしにして液漏れしてやしないかな、などと要らぬ心配。
加えて思うのは、テレビのアナログ放送が3/31で終了(岩手、宮城、福島)しますが、「地上波デジタル」でほんとに大丈夫なのかなということ。
地上波ということで、送信所に加えてたくさんの中継局が地震や津波などの災害の影響を受ける可能性が高いし、停電が続けば放送が中断する可能性も。
(東京は東京タワー、将来はスカイツリーが送信所で広い地域をカバーするけど、UHF帯使用ということもあって、たくさんの中継局が必要ですからね)
他にBSデジタルがあるけど全世帯で受信機器は家庭用に限定されますしね。(クルマ用のワンセグ、フルセグ受信機はあるけどBSは?携帯電話のワンセグ受信はあるけど、BSは?)
と、二時間弱のラジオ番組でしたが、聞きながらいろいろ考えさせられました。
せっかく買ったラジオ、たまには動作させてあげましょう。
番組でも触れられていましたが、3月11日でも1月17日でも9月1日でもいいから、電池チェック、電池交換する日を決めちゃうのがいいのかも。
#NHKは地上波デジタルのワンセグ受信機でも受信料が発生するそうですが、NHKのラジオは受信料払わなくてもOKですよ。