AV Watch - RIAJ、2013年6月のレコード生産実績を発表
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130729_609431.html
日本レコード協会(RIAJ)は22日、2013年6月度のレコード生産実績を発表。音楽ソフト(オーディオレコードと音楽ビデオ合計)生産実績は、数量が前年同月比108%の2,134万枚・巻、金額が同113%の255億円で、共にプラスとなった。
AV Watch - 音楽ソフトと有料音楽配信合計で日本が世界1位に
IFPIの日本支部である日本レコード協会によれば、国別の売上順位では、日本はアメリカの約44億8,100万ドルに次いで世界2位の44億2,200万ドル。このうち、音楽の二次利用に関する権利収入を除いた、音楽ソフト(オーディオ、音楽ビデオ)及び有料音楽配信の売上合計では、日本は約43億ドルで1位となった。背景には極端な円高ドル安という為替の影響もあるとは思います。(ドル換算なので)
日本レコード協会「日本のレコード産業2013」
http://www.riaj.or.jp/release/2013/pr130403.html
月単位でも、年度でも増加しているってのが面白いところ。
以前も「CDが売れている?」と題して書きましたが、それは2010年の話。(しかも同じ8月に書いてますね)
さすがにそれ以降は・・・と思ってましたけど、なかなかどうしてというのが日本の音楽業界のようです。(「音楽CD 生産額が14年ぶりに増加」日本は世界最大のCD販売国)
1980年代の「アナログ盤からCDへ」というレコード媒体の移行では「先進国」だった日本ですが、2000年代からの「CDからデジタルデータへ」という媒体移行では「後進国」な状態が続いています。
CDV-NET オーディオレコード生産推移
http://www.cdvnet.jp/modules/stats/index.php/record.html
理由はいくつかあると思うんですが、
- 日本では、1980年代から1998年にピークを迎えるという「CDバブル」が長期間続いたこと。(「著作権法改正 -「1998年をピークに」を掘り下げてみるで書いた通り。)
上の1990年からのグラフだとバブル感がわかりにくいんですが、下のグラフを見ればCDになってからずーっとバブルだったってことがわかるかと。
- パッケージメディアへの「愛着」が強い。(みたいです。レンタル利用度の高さを考えるとほんとかな?って思いますが、テレビ番組を残すという習慣があったりするから「モノ」として残したいという気持ちがあるのかも。でもテレビ番組の場合は再放送されにくいというこの国の放送事情が影響していると思いますが)
- YouTubeなどで済ます人が増えた。(私からすれば、これは試聴レベルだと思うんですが、YouTubeで再生できればOKという層も多い様子)海外だと無料サンプル曲のダウンロード提供が減り、SoundCloudでのストリーミング配信の利用が多くなってます。
日本の場合はやっぱり
が大きいんじゃないかと思っています。
モノが増えるのが嫌という風潮(『断捨離』とか呼ぶみたいですが、私にはその詳細はわかっていません)があったりと、CDやCD再生環境(オーディオ機器)って場所を取るし邪魔な存在なんじゃないのかと。(私の場合はCDソフトケースでパッケージを圧縮して対応してますが、それでも物理スペースの占有度が高いです。都内のように坪単価が高ければ無視できないスペース)
レンタルだったら必要な時にというコンビニエンス・ストア的な利用が可能ですし、地方でも市レベルだったらTSUTAYAやGEOなどのレンタルチェーン店があるというところが多いかと。
レンタル店の出店状況や実際に店頭を見ていると音楽をレンタルするって人はまだまだ多いように思います。(レンタル店舗数と店舗面積の推移はあるけど、「CDレンタル数の推移」というそのものずばりな数字が公開されていないのが残念)
今までのようにレンタルしてもCD-Rにコピーするわけじゃなく、PCへのリッピングだけで返却って人も多いように思えるんです。(そんな統計どこかにないのかな?)
私の場合は図書館でCDの貸出をしてもらうことはあるけど、CD−Rへのコピーはやってません。コピー作業や保存、管理が面倒だし、そのCD-Rを再生する回数はほぼ無いと思うから。(所有CDのリッピングは256kbpsだけど、借りたCDをリッピングするときは320kbpsでリッピングするぐらいの差。これもiTunesのレートに加え「持ってないぞ」という「マーキング」の意味だったりします)
日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合
第21回通常総代会 記念シンポジウム
音楽消費の行方~レンタルユーザーから見た視点~
2005年と古い資料になりますが、こちらの配布資料(PDF形式)では「レンタルしてもCD-Rに焼かない」って人が多いのに驚きます。
レンタル業者側がまとめた資料ではありますが、私的録音録画補償金制度で『音楽用CD-R』に課金してたのはなんなんだって思えてしまいますよね。
他にもレンタルや購入するきっかけの情報は何かとか、いろいろ面白いです。
(茶髪になる前の)津田大介氏の発言から。
●津田:
田中先生の発表の中で、レンタルと購入の関係をまとめられていて、音楽ユーザーにはABCという類型があり、Aの人はCDは購入だけしてレンタルはしない層で、Bの人はレンタルもすれば購入もするという行ったり来たりする層、あと、レンタルだけするCの層と、三つに分類されていた。これが非常にわかりやすく、自分も確かにそうだろうなと感じた(※図1)。
私の場合は、「A層」なんですかね。図書館利用派だから「B層」?
行ったり来たりというよりは、(地方の)公共図書館に置いてあるようなものを貸し出してもらっているレベルだから微妙。(都区内の公立図書館みたいにCDが豊富にあってという状態とはほど遠いですからねぇ)
さてさて、デジタルデータだと Music Unlimited のような「月決め聴き放題」のサービスも立ち上がってますが、まだまだ利用者は少ない様子。
使ってるいるという知り合いが、リアルでもネットでもいないんです。(TwitterのTLでも流れてこないし)
Napsterは時期が早すぎたと思いますが、今回の新サービスは「スマートフォン」という高速な通信環境と高速な再生環境があってのものなので、これがこけたら「日本では定額制は馴染まない」ってことなんでしょうか。
音楽配信って、映像配信の Hulu(定額制ですね) や TSUTAYA TV(レンタルの代替) などの配信サービス、テレビ放送だと NHKオンデマンド のようなサービスに比較すれば少数派じゃないかと思います。
そもそも「音楽配信サービス」はテレビCMをやったりしてませんし、世間での認知度も低いかと。
ということで、再生機器が CDプレイヤーやMDから iPod や Walkman に変化し、その後は iPhone に代表されるスマートフォンに変化してますから、音楽再生専用機を所有する必要性が薄れているんじゃないかと思います。
WIRED.jp
Spotifyは違法ダウンロードを駆逐する切り札か!?
2,000万曲を無料で聴き放題。これがSpotifyの人気の鍵。Spotifyは、これまでニッチだった定額制配信を一躍、「iTunesの次に来るもの」に変えた。例えばRhapsodyやMusic Unlimitedといったほかの定額制配信サーヴィスとの最大の違いは、基本無料の広告モデル配信と定額制配信を組み合わせた、「フリーミアム配信」モデルを採用している点だ。「毎月10時間までは無料で聴き放題。ただし、それ以上聴きたい人は月5ドル、スマホでも使いたい人は月10ドル払ってね」というビジネスモデルで、この「基本無料」という点が、音楽にお金を払いたくない違法ダウンローダーたちの心を鷲掴みにした。
毎月10時間までは無料というサービス。ライト層にはこれでいいんじゃないの?音楽を聴く習慣の無い人にはどう見えるのかいまいちわかりませんが、好奇心はあるけど知らないジャンルの楽曲に挑戦したいって層にはパッケージメディアを売る機会にもつながると思うんですけどね。
前述の通り、スマートフォンの場合は常時Internetに接続している高速な機器なわけで、Spotify(スポティファイ)が日本でサービスを開始する準備はできていると思うのですが。
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