言葉だけが先行していて、いったい何を指しているのか。AとBは実は同じことなんてのもよくあることです。
定期刊行されている雑誌の場合、年間スケジュールみたいなのがあって、4月とか6月頃に初心者向け特集なんてのがよくあるものですが(トラ技なんかもそうですね)、オーディオの場合は最近そういう傾向にないようで、いきなりこんな知識なの?と首をかしげたくなるような記事が多いと思っています。
私の場合は無駄にオーディオ歴だけ長いのと時代的なものもあり、基礎の部分はあれこれ勉強させてもらった「つもり」ですが、(ラジカセや簡易的なミニコンポは除く)オーディオ機器に接したのは最近になってという方はどうしても簡単に入手できるWebの情報に頼り、余計にわけがわからなくなっているのではないかなと思ってしまいます。
(資金が潤沢であれば無駄な買い物、回り道でもよいのですが)
長岡鉄男のわけのわかるオーディオ 音楽之友社刊
音とは何なのか?というところから始まり、スピーカ、アンプ、ソフト(とその再生機器)、アクセサリー(ケーブルた振動の影響、ボードなど)、部屋という順に章立てされています。
長岡さんが前書きで以下のように書かれています。
オーディオマニアにオタクが多いとは思わないが、少ないともいえない。ひとり閉じこもってしこしこやっている。やたらとカタカナ語や、難解な漢字を駆使して一般大衆との間に壁を設けようとする。では専門知識を熟知しているのかというと、そうではない。たぶん半分もわかっていないのだと思う。
(中略)
カタカナ語は言葉のブラックボックスになっている。意味はわからなくても、キャッチボールのように言葉を投げ合っていればなんとなく通じたような気になる。これがオーディオの現状だ。初版、1999年11月10日という本なのですが、内容は普遍的なものがほとんどですから古びていません。
(「SACD」や「CDトランスポート」などに関しての記述もあります)
後書きの最後に書いてあるのですが、その後のオーディオの転換期を迎えても、「どう変わっても役に立つ基礎知識」がこの本にはまとめられています。
能書きだけで中身の無いオーディオ雑誌、ぜんぜん実践的じゃないオーディオ本、宗教めいてくるオーディオ系Webに染まる前に図書館などで手にされてはどうでしょうか。
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