http://www.nhk.or.jp/program/onagawa-drama/
「がんばっぺラジオ 2013旅立ち」という倉本聰みたいなタイトルが付けられていますが、ドラマじゃなくてリアルな「女川さいがいFM」を放送している人たち、放送を聴いている人たちを撮影したドキュメンタリー番組。
たまたまテレビを観てたらいきなり始まったんでびっくりでしたが、ドラマでは俳優さんが演じていたコミュニティFMをつくっている人、そして仮設住宅に住む人たちに焦点を当てたもの。
ドラマの登場人物のモデルとなった人たちを取材しているんですが、これがみんな若いのにいろんなものを背負い込んでいて驚きます。ドラマよりドラマチックというか、事実は小説より奇なりというか、現実の方が信じられないようなことが起きてる時代を反映しているなぁと。
ガレキが片付けられたものの、何があったのか思い出せなくなっている町。「かさ上げ」工事のためか電柱が細い鋼管で信号機なども簡易的なクランプといういつでも抜ける状態な町。
仮設に住む人のリアルな姿。
3.11の追悼式の時だけ取材に来るマスコミ。普通の高校生なのに「復興の申し子」として扱われ、そのマスコミに何度も何度も同じこと(津波で母親を失ったこと)を言わなければならないという現実。その報道のあとにはネットに心ない誹謗中傷があふれること。それでも忘れられたくないから取材を受けると告白するところは、マスコミ各社によーく聞いておいてほしいところ。(NHKも自戒をこめてということかな)
被災した地域以外では3.11は遠い出来事になっているというのは私も強く感じるところ。震災被害と現状に関する番組を放送すると、「いつまで甘えてんだ」「はやく自立しろ」という他所の声が出てくるのが実際。
番組には出てきませんが、「フクシマ」だって自分には関係無い、無関心という名の『現実逃避』をしているのがこの国の現状かと。
ドラマで描かれていた高校生のその後のリアルな姿を追い掛けているんですが、それぞれの事情で女川を出て東京に来てみると「風化という概念すら無い」と感じるという生の声はまさにそのことかと。
この「がんばっぺラジオ 2013旅立ち」という番組はドキュメンタリーなんだけど、ドラマのよう。ドラマを見ていない人にはそう見えなかったかもしれないけど、この番組、シナリオがあるわけじゃないのによく構成されていたと思います。ドラマ版「ラジオ」の外伝として、ドラマ以降を描いた作品としてよくできていたと思います。(もちろん撮影や構成のうまさだと思うけど、リアルな人たちのキャラクターが立っていたのが大きいかと)
で、このドラマ「ラジオ」ですが、10月12日にNHK-BSプレミアムで再放送とのこと。
本放送では73分だったものを89分に拡大編集しての再放送。
このドラマ、すでに何度も繰り返して観てます。地味なドラマだと思うけど、描いている内容がリアルなことがあって内容が同じ宮城県を舞台にしているドラマということ以外にも、曲の使い方がうまいこともあって再放送の拡大バージョンも楽しみにしています。
関連
NHK総合 特集ドラマ「ラジオ」
http://tiiduka.blogspot.com/2013/09/nhk.html
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