ITmedia LifeStyle
麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」パッケージメディアの逆襲(前編)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1308/23/news092.html
半年ほど前に登場したBlu-Spec CD2は、CDよりもはるかにハイクラスなBDのカッティング技術を生かしたもので、最近、1980年代初期の松田聖子さんのタイトルも出ましたので、さっそく比較してみました。1988年5月に購入した「CITORON」の10曲目「林檎酒の日々」です。冒頭のピアノがいまひとつ明瞭(めいりょう)ではないですね。ヴォーカルの実体感、ニュアンス感がやや平板。ピアノの響きが細身でした。
では、Blu-spec CD2はどうでしょうか。
凄く違います。冒頭のピアノは、実は直接音の後に、豊かなグラテーションを伴いながら、響きが立ち上り、立ち下がっているのだと、初めて認識できまし。和音の強弱の付け方も生々しい。ヴォーカルはまるで違います。感情が豊かで、些細なニュアンスが、リアルな実体感を伴い迫ってきます。オーディオ的にかなり違うだけでなく、音楽性がまるで違うと聴きました。
素材競争の第二弾ってことでBlu-Spec CD2で「再発」された松田聖子の"Citron"というアルバムと1988年リリース直後に買ったCDを比較されているのが、上の引用の部分。
Twitterではこちら。(どちらもアルバム名が間違ってます。正しくは "Citron" です)
「松田聖子」の通常CDとブルースペックCD2のインプレッション①。CITORON。10曲目「林檎酒の日々」。88年5月に購入した通常CDとは、まったく違う。冒頭のピアノは、実は直接音の後で、豊かなグラテーションを伴いながら、響きが立ち上り立ち下がっているのだと、初めて認識できた。
— Reiji Asakura (@ReijiAsakura) August 6, 2013
「松田聖子」の通常CDとブルースペックCD2のインプレ②。ヴォーカルはまるで違う。通常CDは平板な歌謡曲歌手だったが、Blu-spec CD2では、感情が豊かで、些細なニュアンスも光彩する名歌手だ。リアルな実体感を伴うるオーディオ的にかなり違うだけでなく音楽性がまるで違う。
— Reiji Asakura (@ReijiAsakura) August 6, 2013
この再発CD、新素材になっただけのものじゃなく、当たり前なんだけど「リマスタリングされたもの」です。
このことには全く触れずに「音楽性がまるで違う」「凄く違います」と言い切るのはさすがというか、なんというか。
HMVの商品情報から。
http://www.hmv.co.jp/artist_松田聖子_000000000012799/item_Citron-dvd-Ltd-Rmt_3607856
ここに「デジタル・リマスタリング済音源使用」とちゃんと書かれています。
何度も再発(リイシュー)CDを何度も買い続けてる人からしたら、「マスター違うんだから当たり前じゃん」となることを、さも新発見のように書かれてもさぁ。
1960年代の The Beatles のアナログ盤ですら「音楽性がまるで違う」というのが定説になっているのがこの2010年代なわけですよ。
UKファーストプレスのアナログ盤、USキャピタル、日本の東芝音楽工業では全然違うと。(だからUKファーストプレス、それに準ずるものは音源としてプレミア価格になってるわけでさ。CD化されたモノラル盤とも全然違うんだそうで)
素材が変わったからなのか、製造過程が変わったからなのか、音源が変わったからなのかということをきちんと伝えるべき立場の「オーディオ・ビジュアル評論家」で「津田塾大学講師(音楽)」の麻倉氏が「これはすごい」と手放しで大喜びしてるんだから、このギョーカイは終わっているな、と感じます。
関連
著作権法改正 -「お持ち帰りCD」記事で思うメディア評論家の鈍感さ
http://tiiduka.blogspot.com/2012/06/cd.html
音楽のパッケージメディアに対する「需要」
http://tiiduka.blogspot.com/2013/08/blog-post_13.html
CD規格外の「プラチナSHM」という音楽パッケージメディア
http://tiiduka.blogspot.com/2013/08/cdshm.html
0 件のコメント:
コメントを投稿