2011年11月23日

ベストヒットUSAに異論 - 1980年代のUKロックシーンって

先週のベストヒットUSAでザ・スミスのPVが流れたときに、小林克也さんが「1980年代はイギリスのロックは駄目な時期だった。しかしモリッシー、ジョニー・マーの在籍したザ・スミスは違った」(録画視聴したんですが、すぐに消してしまったので正確な表現ではありません。こんなこと言ってたよということ)みたいなコメントを言っていてちょっとそれは違うんではないのかと突っ込みを入れていたのは私だけでしょうか。




ベストヒットUSAはテレ朝系の地上波で放送しているとき、1980年代によく観てました。
いまはBS朝日で放送中で、地上波じゃ無理だけどBSで全国放送というのはありがたい限り。
(カーグラフィックTVも同じBS朝日で放送していて、これもありがたい)

で、1980年代のUKロックシーンってどうだったのか、リアルタイムで番組(当時、小林克也さんテレビでベストヒットUSA、FM東京系でレギュラー番組を持ってました)でイギリスのバンドをたくさん掛けてたのをお忘れかと。

資料無しで思い浮かぶまま書いてみるとこんな感じ。
  • 1970年代末にニューヨークからロンドンに飛び火した「パンク」(SEXピストルズやクラッシュなど)
  • ヴァージンアイランドと言ったイギリスの独立系レコード会社の存在。(今は「インディーズ」じゃなくなってますけども)
  • 後に「ニュー・ウェーヴ」と呼ばれるようになった一連の動き。
  • ツートーンレーベルに代表される「スカ」(スペシャルズやマッドネスなど)
  • インディーズレーベルの台頭(チェリーレッドや4AD、ファクトリー、そしてザ・スミスのいたラフ・トレードなど)
  • レコード会社という面では、Edsel(コステロも在籍してた)系で積極的にリイシューをしていたのも印象に残ってます。(当時は今と違って中古レコードでしか入手できないようなアルバムだらけでしたから。もちろんAmazonもブックオフも無い時代)
  • 他にもモッズ・リバイバル(ザ・ジャム)やジャズの再生(SadeやWorking Week、のちにアシッド・ジャズへ)なんてのも。
これらがいろいろ絡み合っていたのが1980年代のUKロックシーンというのが私のイメージ。
以前紹介した、映画 "Absolute Beginners" のサウンドトラックアルバムに凝縮されているんじゃないのかなと思います。(スタイル・カウンシル、デヴィッド・ボウイ、Sade、Kinksのレイ・デイヴィスなどなど)


忘れちゃいけないのが、ビートルズを筆頭にアメリカの音楽チャートにどんどんチャートインしたときの「ブリティッシュ・インヴェイジョン」の再来となった「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれたのが1980年代のUKロック。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ブリティッシュ・インヴェイジョン
1980年代前半、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブに代表されるイギリスのバンドがアメリカで巻き起こした旋風を、1960年代のブリティッシュ・インヴェイジョンになぞらえて第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンという。その他の主なアーティストとして、ヒューマン・リーグ、スパンダー・バレエ、カジャ・グー・グー、ユーリズミックス、ハワード・ジョーンズ、ワム!などの名前が挙げられる。デヴィッド・ボウイもベテランながらこの波に乗って成功している。

上記のミュージシャン以外でも、1960年代から活動していたスティーブ・ウィンウッドの「復活」、1970年代組だとスティングが在籍していたザ・ポリスジェネシスよりソロ活動を優先してた感もあるフィル・コリンズ、ジェネシスから独立したピーター・ゲイブリエル、後にデュラン・デュランのメンバーとパワー・ステーションでも活躍するロバート・パーマーらも1980年代にヒットを放っていたのが実際。
忘れちゃいけないのがPV作家としても活躍した10ccからの独立組、ゴドレイ&クレーム。モーフィングが新鮮でした。(この手法はいまでもCMなどで使われてますね)



大御所では、ローリング・ストーンズは"Steel Wheels"で「復活」するまで低迷してたけど、キンクスはPVが当たってアメリカでもヒット。



他にもプログレバンドからポップになったYesや前述のジェネシスも復活。
Yesつながりだと「ラジオスターの悲劇」(バグルス)のトレヴァー・ホーンZTTレーベルからは、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなんてのもありましたね。


メインストリームのミュージシャン以外でも、ワーナー移籍前のエルヴィス・コステロXTC、スクリティ・ポリティ、ザ・ジャムを解散したポール・ウェラーはスタイル・カウンシルで活動してたし、チェリーレッドのエヴリシング・バット・ザ・ガール(トレイシー・ソーンとベン・ワット)と交流があったり。他にも思いつくまま書けば、ハウスマーティンズ、ペイル・ファウンテンズ、ビート(イングリッシュ・ビート)、ファイン・ヤング・カニバルズ、カラー・フィールド・・・80年代末には、1990年代のUKソウルにつながっていく、Soul II Soul が登場します。




こうして書いていて思うのは、1990年代の「ブリット・ポップ」よりも当時のUKロックシーンは盛り上がっていたと思うわけです。
#一連の流れを「体験」してきたから「ジャンル」で知るというよりは、レーベルだったり人脈だったり。

ということで、UKロックシーンにおけるザ・スミスの「再評価」は結構なことだけど、それ以外もすごかったというのが当時のUKロックシーンだということです。
「商業化しすぎてしまった」という意味であれば、そのことをちゃんと言わなきゃと思うわけです。
(1960年代のイギリスにはビートルズしか存在しなかったかのような歴史観もありますからねぇ・・・)

1 件のコメント:

  1. ベストヒットUSAで小林克也さんが話していることは、「本当に小林さんが自分の知識や言葉で言っているのか?」と疑問に思えることが、たまにあります。
    私も、1980年代のイギリスのロックが駄目だったとも思えません。あの時代のヒット曲を挙げていくとイギリスのものが多いことに気が付くと思います。ヒットすれば良いとも思いませんが、新旧いろいろなミュージシャンが活躍し、名曲を残していることも事実です。それに、ちょっと前にエリック・クラプトンとスティーブ・ウィンウッドがブラインド・フェイス以来初めて競演した時に、小林さんは今回が初めての競演と言っていました。「ブラインド・フェイス解散後初めて」という言葉が抜けていたのか、本当に初めてという意味で発言したのかは分かりませんが、実は番組の他のスタッフが書いた原稿をそのまま読んでいるか、本人があまり知識と記憶がないとしか思えないことがあります。番組にUSAと付いているので、マイケル・ジャクソンを始めUSAに偏っている感もあり、UKの評価が低い感じもします。
    1980年代にベストヒットUSAを楽しみに見ていた者の一人としては、今の違和感は寂しいです。

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