2011年6月15日

パーソナルフィールドスピーカー SONY PFR-V1

ソニーという会社は以前からちょっと変わった新ジャンルの商品を出してきますが、パーソナルフィールドスピーカー PFR-V1もそういう製品の一つではないでしょうか。

http://www.sony.jp/cat/products/PFR-V1/index.html


この前までは「生産完了」の文字が入っていなかったのですが、いつの間にか生産完了。
このジャンルの製品は後継モデルは出ていませんし、今後も出ないんだろうな、ということで入手しておくことに。(生産完了に伴い安くなっているというのもありましたが)

昔からソニーのアクティブスピーカ(SRSシリーズ)は奇抜で面白い商品が多く、私もいくつか購入して使っていました。折りたたみ式の反射板付のステレオスピーカなんてのもありましたし、カタツムリみたいにユニットがぴょこんと飛び出たモデルなんてのもありました。
このPFR-V1もアクティブスピーカというカテゴリーの商品。(ヘッドフォンではありません)


スペシャル・コンテンツ

プレスリリース



PFR-V1は以前から気になっていた商品でした。
店頭デモ機で何度か試聴したことがありますが、その時の印象は店内の音が「うるさくてよくわからん」というものでした。




装着方法など事前に調べた上での試聴がそんな感じだったので、わからない人が手にとっても良さは伝わりにくいだろうなと思っていました。
取説で細かく「装着する」方法を記載するような商品ですんで、店頭デモ機をさっと装着しただけで良さを理解できるかは微妙。密閉型ヘッドフォンと並べて置いてあったら密閉型ヘッドフォンの方が「良い音」と感じる人がほとんどだと思います。

そういう私も試聴は何度かしてみたものの、中高音域しか印象に残らず、価格が価格だけに見送り続けていました。今回の「生産完了」で最後のチャンスか、となった次第。


開発者はインナーイヤー型イヤフォン、MDR-E252やMDR-E262の設計も担当した山岸氏。
My Sony Club ソニーのDNAを受け継ぐ職人たち
https://msc.sony.jp/member/mail/mysony/series/20080619_1/

AV Watch 小寺信良の週刊「Electric Zooma!」
第327回:頭内定位を克服したパーソナルフィールドスピーカー「PFR-V1」
~ 構想30分、開発2年。困難を乗り越えた末の船出~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071017/zooma327.htm



複雑な形状に見えますが、実際はシンプル。左右両出しのケーブルの先に球状のエンクロージャに入ったスピーカがあるというのが実際のところ。


ユニットから飛び出たガイド部の先端に「ストローから発想を得た」というバスレフダクトがあります。
この部分の装着次第で低音がちゃんと出るかどうかが決まります。


ハウジングの位置をしたらあとはイヤパッドでという通常のヘッドフォン(ヘッドバンド+ハウジングで構成されるもの)とは異なり、ヘッドバンド部の両端にある「ハンガー」部のセットで位置決めを行います。


この図の5「スライダー」と6「アームホルダー」の2箇所で位置決めをすることになります。一度セットしてしまえば次からは微調整で済みますが、最初は試行錯誤しながらになると思います。

最初に図中の6の下にある「ハンガーの耳かけ部分」を耳の上にくるように調整するんですが、ここがこめかみを挟むようにもセットできるので、そうした場合頭が痛くなってきます。(苦笑)
次に「ダクト先端部と耳穴の高さが合うように調整する」んですが、これが結構難しいです。取説でも「アームホルダーの高さを調整しても、ダクトの先端部と耳穴の高さがうまく合わない場合は、本機を頭にかける位置を変えてから再度調整してください」とヒントが書いてあります。(つまりやり直せってことですね)




ヘッドフォンジャックにつないで鳴らすこともできますが、「接続した機器の音量を調整しても音が小さいとき」用にブースター(BAM-P1)が付属しています。
AV Watchの記事にも出ていますが、このブースターがよくできています。単四電池2本で駆動するアンプなんですが、ちゃんとしたHi-Fiなものです。

店頭ではイマイチだったPFR-V1ですが、実際に自室で使ってみるとその良さがわかります。
耳への違和感はありますが、ニアフィールドで得られる音場感をもっと近くした感じ。「イヤーフィールド」という言葉そのままです。
直接ヘッドフォンアンプに接続した場合、通常よりちょっとボリュームを上げてやれば大丈夫です。
周囲の音も聞こえるかわりに、PFR-V1で再生している音も本人以外にも聞こえるわけで、屋内での使用に限定されますが、スピーカで大きな音を出すのをためらうような時間帯に最適。
またイヤパッドが無いので夏の暑い時期にも蒸れないというメリットもありますね。



1 件のコメント:

  1. おひさしぶりです。HATです。PFR-V1ネジ取り改造おススメです。低音のハウリングがなくなり、量感が増します。ブースター経由よりもパワーのあるアンプで鳴らす方が好きです。

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