2013年5月17日

"HDCD"を再生したい - 3 「ハイレゾ」「新規格」よりも手持ちの「CD資産」

「HDCDを再生したい」って気持ちは、すでにCDで持っているアルバムを「ハイレゾ音源」(DSD音源含む)を(わざわざ)買い直す前に、手持ちのHDCDをちゃんと再生してみたいって気持ちからです。

いわゆるハイレゾ音源については、ソフト面では高価格での「買い直し」需要、ハード面では「新ジャンル」の開拓的な感じがして、以前も書いた通り懐疑的な私です。(不完全な再生機器が流通してることも含め)

HDCDについては、
  • ソフト面では、HDCDは地味ながら淡々と新譜、リイシュー(再発)として発売され続けていること。(日本のミュージシャンがリリースする国内盤のHDCD状況は不明ですが)
  • ハード面では、HDCDという、実は通常のCDより音質が優れている(らしい)ものを放置している現状。(再生機器の少なさ。USではまだしも、日本では絶望的な状態)
後者については、Windows環境でHDCDを取り扱うことができるのでまだマシなのかもしれませんが、「Microsoftに買収された会社のよくあるパターン」で放置されちゃってる感じが強いです。

    音楽業界としては、(高い値段で)買い直しをしてくれるし、物流コストは掛からないハイレゾ音源を売った方が効率が良いし、CDの44.1kHz/16bit(HDCDで44.1kHz/20bit相当) に比べ、88.2kHz/24bit や 96kHz/24bit192kHz/24bit という「わかりやすい大きな数字」でアピールできるのもメリット。




    カタログスペックの「大きい数字な方が良さそう」というのはオーディオだけじゃなく、クルマなんかでも同じですけど、趣味性の高いものには効果的なもの。
    実際、HDCDも「数字が大きいから良さそう」って思う部分ですし、否定はしません。
    (でも、ハイレゾ音源の前にやることあるよな、って思ってます)


    オーディオ業界としては、「PCオーディオ」というジャンル開拓で停滞していた市場に活気が出るし、より大きな「ハイレゾ」に対応(96/24→192/24)したり、DSD音源に対応するってことで買い替え需要も喚起できるという流れ。


    フィジカルメディアでは、SACDのようにDSDマスタリングしてCDより高い値段で売るという選択肢もあったわけですが、市場規模は縮小傾向。
    SACD単層+新素材でSACDのリリースで巻き返しをしてますが、どこまで売れているのかは謎。




    DVD-Audioのように「死んじゃった」フォーマットもあるけど、その後継にあたるBlu-rayオーディオ(BD-Audio)という「規格」(実際は規格じゃなくて最小限の映像にハイレゾ音源というのが実態)が加わって「買い増し」を喚起してるけど、価格やタイトルの少なさがやっぱり残念なところ。(フィジカルメディアだし、デジタル出力の制限とか制約が多いのもあると思いますが)

    その点、データ販売の「ハイレゾ音源」は、(SACDを受け付けない)PCやMacなどを活用することで再生機器の自由度が高いことに加え、再生専用機も高いものから安いもの。据え置きモデルからポータブルまでいろいろ出てきているという状態。

    いつ再生機器が無くなるかわからない「新規格の高音質フィジカルメディア」(SACD, DVD-Audio)に比べれば「汎用性の高いPCで再生できる」という点で将来も安心。(FLACであれば、OSが変わっても再生ソフトがリリースされ続けるでしょうし)


    でも実際のところ、音質と手軽さのバランスではCDで十分なんじゃないかと思っています。(そうじゃないという人がいるのも認めますが)




    CDに関しては、過去30年の歴史(SONYとPhillipsもこんなに長く続くと思ってなかったかも)があって、
    • 中古市場を含めれば膨大な量のタイトル。(それでもCD化されていないものがまだまだたくさんあるし、入手困難なタイトルがたくさんあるのが実情ですが)
    • 再生機器の多さ(最近は「CDプレイヤー」の無い家もありそうだけど、DVDプレイヤー、BD録再機でも再生できるんで再生可能な機器は膨大)
    • 価格面では、iTunesStoreやAmazonMP3の非可逆圧縮ファイルのアルバムで1500円。CDだと輸入盤で良ければそれ以下がほとんどだし、中古盤だと(レア盤除けば)それ以下というのが実際。
    • CDが売れなくなった先進国(US)でもOriginal Album Classicsなどのようにパッケージを簡素化することで低価格なCDがたくさん発売され、実際にそれが売れていること。(Green DayやMadonna, Joni Mitchellなどの10タイトル入り低価格ボックスも。最近はChicagoやVan Halenが発売されてます)
    • PCやMacでも扱える万能性。(CCCDという「不純物」もあったけど)
    と、CDの「器」としての寿命はまだまだ続くんじゃないかと思います。

    で、HDCDという(忘れ去られているけど)市場にたくさん流通していて、現在進行形の「高音質」なものを活用しない手は無いんじゃないかと思う次第。
    (なわけで「HDCDを再生したい」わけです。以下、ループ)


    関連
    "HDCD"を再生したい
    http://tiiduka.blogspot.com/2013/05/hdcd.html
    "HDCD"を再生したい - 2 リリース状況と対応プレイヤーを探す
    http://tiiduka.blogspot.com/2013/05/hdcd-2.html
    いわゆる「PCオーディオ」と「ハイレゾ音源」
    http://tiiduka.blogspot.com/2013/04/pc.html
    続 - いわゆる「PCオーディオ」と「ハイレゾ音源」
    http://tiiduka.blogspot.com/2013/05/pc.html
    昨今の「低価格」輸入盤CDの状況
    http://tiiduka.blogspot.com/2012/10/cd.html


    低価格ボックスの例(10枚組の簡易パッケージで低価格)
    Green Day, Madonna, Van Halen(6枚組), Chicago, Joni Mitchell, Eagles(6枚組)

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