当初は天野夏(宮本信子)、東京編では主人公の天野アキ(能年玲奈)とドラマのナレーションを変更してきたわけですが、3.11以降は天野春子(小泉今日子)が語りを担当。
映像のつなぎ方、シーン(セリフ)の途中で次のシーンへとか、津波の状態を観光協会のジオラマをうまく使って説明していたり、鉄拳のイラストで説明するとか「リアルな衝撃的な映像」は出てこないけど、それだけでもう十分伝わってきます。
3.11以降はそれ以前の、8月までのあまちゃんと違って視聴者の追体験でもあるわけです。
「原発事故が〜」「放射能が〜」とか「ガレキ処理が〜」とかいくらでも批判はできるんだろうけど、その場所に生きている人にとっては、そっちより目の前の状況なわけですよ。
東京にいた頃は主人公たちもその「ノイズ」に戸惑い、なかなか故郷である北三陸市に戻れないわけですよ。ほんとはものすごく心配なのに。ほんとはいつも「ノイズ」じゃないほんとのことを考えているのに。
観光協会でのウニの生息地のガレキの除去に関するシーン。
ウニの生息に必要な環境を取り戻すためにはガレキ撤去が必要になるが、年内にはなんとか、という話だったが、「今月中にやれ」と天野夏(宮本信子)が啖呵を切るシーン。
(状況を説明する北三陸高校潜水土木科の教師、磯野はじめ、漁協や観光協会のメンバーを説得するシーン)
天野夏:ここで本気出さねばどうする。いつまでたっても被災地だぞ。それでいいのか?いくねぇべ。
宮藤官九郎らしい表現方法だなと思いました。
「被災地甘えんな」「いつまで被災地やってんだ」という2013年視点の批判があるのは知ってます。被災地域に住んでる私でも「そりゃ甘やかしすぎ」と感じることが多いですから。
でも、阪神淡路大震災の時とは違うんです。阪神淡路大震災も大変だったけど、東北沿岸部は以前からの過疎地。鉄道の復旧だってリアルな世界じゃまだまだ目処がつかないのが東北の被災地なわけです。
鉄道が寸断されても復旧があっという間だった阪神、阪急、JR西などとは違うわけですよ。採算という現実を考えてBRT(バス)で済まそうとしてるJR東、内陸への移転を計画してるけどまだまだなJR東。
それに対して第三セクターである北鉄(三陸リアス鉄道)がドラマで描かれている通りだったから、沿線住民を勇気づけることができたわけです。
副駅長の吉田くん(荒川良々)のボケ具合、北三陸を訪れた梅さん(ピエール瀧)を表して「小林感が半端ない」と表現するところとかとぼけたシーンを折り込みつつ、あまちゃん最終回となる9月28日の放送まであと2週間。
楽しすぎて10月以降が心配。
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