2012年2月7日

由紀さおり - "1969" は買ってません

由紀さおりさんの話を今更ですかと言われそうではありますが、NHKのSONGSでやってたのを録画視聴したんで、その感想を含めてあれやこれやと。

由紀さおりのアルバム、"1969" は買ってません。
Amazonだと輸入盤、国内盤があって輸入盤でもUS盤、UK盤があってとややこしいですね。

昭和歌謡という意味では大西ユカリ(と新世界)、CKB(クレイジー・ケン・バンド)などなど大好きだし、昭和歌謡フレーバーに違和感はありません。
由紀さおりという人物については以前、変な伊予弁を使うCMで嫌いになったことがあるけど、歌手としては嫌いじゃないです。
でも今回の持ち上げ方というか、持ち上がり方に違和感を感じてます。
で、なんなんだろう、この違和感は?と考えてみた次第。

ピンク・マルティーニ、「1940年代から60年代の音楽を蘇らせるジャズ・オーケストラ」だそうですが、大所帯なので大変だろうなと余計な心配。2010年当時で13人でしょ。みんな兼業してるんだろうかと要らぬ心配。(それにしてもリーダーのトーマス・M・ローダーデールさんは "Otaku" 風ですね)

まず思ったは、日本だと「東京パノラママンボボーイズ」がやってたことに近いのかなと。SONGSという番組を観ての印象でもあります。ラテン系ばっかりやってるわけじゃないんだと思いますが、大雑把な印象ですけど。

由紀さおり+ピンク・マルティーニ(マティーニ)という点ではCDジャーナルのインタビューが早い時期、2010年3月のもの。(下記記事ではピンク・マティーニになってますが、今はピンク・マルティーニという読みになってますね)

CDJournal.com CDJ PUSH
特集:特別対談 ピンク・マティーニ×由紀さおり
http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/pink-martini/2000000541

──トーマスさんは、由紀さおりさんの「タ・ヤ・タン」をどこで?
トーマス・M・ローダーデール(以下、トーマス) 「10年前か12年前でしたか、ポートランドのレコード屋で発見したあのレコード(由紀さおり「夜明けのスキャット」のアルバム)のパフォーマーと、こうして今、東京でステージの上で共演できるなんて……この素晴らしさは言葉で言い表わせません。息を呑んでしまいます。レコード屋のジャパニーズ・ミュージックのセクションで、あのレコードを発見して、家に持ち帰って夢中になって聴いたあの夏の暑い日が思い出されます。僕にとっても、バンドにとっても、由紀さんと共演できるのはとても光栄なことです」

レコード屋でジャケ買いして聴いたらはまってというエピソードは信じることにします。だってありそうだもの。
2010年当時で「10年か12年前」に出会ったこと、レコード屋のジャパニーズ・ミュージックという棚で「発見」したということはその後「変化」しているようです。


昨年末にはこの通り。

MSN産経ニュース - 由紀さおり、欧米でブレーク 「坂本九以来の快挙」の声も
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111119/ent11111908050004-n1.htm
歌手の由紀さおり(63)が米ジャズオーケストラと共演し、往年の日本のヒット曲を歌った新作アルバムが、米ネット配信のジャズ部門で1位にランクされ、話題を集めている。収録曲のほとんどを日本語で歌ったCDが国外で注目されるのは異例で、「1963年の坂本九の『SUKIYAKI』以来の快挙」との声も上がっている。
日本人歌手では、1963(昭和38)年に坂本九の「上を向いて歩こう」が「SUKIYAKI」の題名で米ビルボード3週連続1位になったが、今回のヒットはそれを彷彿とさせる快挙だ。
共演のきっかけは、ピンク・マルティーニのリーダー、トーマス・ローダーデイルが数年前、地元の中古レコード店で昭和44年に発売された由紀のレコードを見つけ、透明感ある歌声にひかれたことだった。 

まず、「10年前か12年前」じゃなかったの?
次に、記事では「ネット配信のジャズ部門」とかで片付けられてますが、「アメリカの iTunes Store」の「Jazz部門」で第1位になったということ。(販売価格は$9.99)

繰り返すと、アメリカの音楽流通最大手のiTunesStoreの売上ランキングのうち、"Jazz"というジャンル1位になったということですね。

上記記事では「坂本九以来の〜」という表現をしてるけど、坂本九の「上を向いて歩こう」はビルボード誌の総合チャートHot100)での第1位。(The Beatlesとかがランクインしてくるとこです)
しかも、ビルボード誌1963年の「年間ランキング第10位」なんで比べちゃ駄目です。(「六八九トリオ」に失礼ですよ!)

「日本語で」という条件を除けば、ビルボード誌の部門1位では他にも例があるかと思います。(たとえば松居慶子さん)

今回のリバイバル、音楽好き、昭和歌謡好きとしてはWelcomeなんですが、「全米で〜」という『権威』に弱いマスコミの持ち上げ方に違和感を感じてるということですかね。

「全米が〜」、「〜で第一位!」とうのは映画の世界だけかと思ったら、そうじゃないということのようで。まぁ、食品だと「モンドセレクション」もあるし、ジャンルは限定されないものなのか。
(店頭でも「これ売れてます!」というポップやお店での「人気商品ランキング」とか。売れている、人気があるものが「良い」「買わなきゃ」ということなんでしょうかね)

オーディオ機器でも出版社が出す「○○賞受賞」というロゴをカタログに入れてみたりと権威が大事という風潮ですね。でもこれってモンドセレクションと一緒で「お金出したらもらえるもの」だったりするじゃないですか。
加えてヘッドフォン、イヤフォンだと故人である "Miles Davis" の名前を(トリビュートになってますけど)冠していたり、いかにもお金の好きそうな "Quincy" の名を冠してみたりと商売になりゃなんでもいいのかという感じ。(Miles Davisはまだわかるけど、Quincyは本人の楽曲が大好きという人っています?Michael Jacksonのアルバムをプロデュースしたということでなの?大島渚の「愛のコリーダ」にインスパイアされて作ったあの曲が好きでという人向け?)

と脱線しましたが、権威付けで水増しされたような気がするのが今回の "1969" というアルバムなのですよ。周辺エピソードもちょっと「?」な部分がありますし。

あと購入ターゲットを「団塊世代」にしてるんじゃないのかなという雰囲気が濃厚なのも違和感の一つかも。NHKのSONGSでは「1969年」の世相に触れてましたしね。

そういう次第で、まだ由紀さおり - "1969" は買ってません。
そのうちブックオフにたくさん並ぶだろうから、それからで良いです。


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