彼女のルーツ音楽の一つである、スペイン語歌謡について。
彼女はアリゾナ州ツーソン出身。父方の曾祖父はドイツからの移民。父はメキシコ人と結婚しリンダが生まれています。
ドイツとメキシコとイングランドの血を引く両親の間に生まれる。父親もミュージシャンで10代からギルバート&サリバン(アーサー・サリヴァンとウィリアム・S・ギルバート)などを聴き始め、その他にもビリー・ホリデイやサラ・ヴォーンなどの女性ジャズシンガーなどに影響を受けながら、カリフォルニアへ移り、音楽へ傾倒し始める。彼女のルーツ音楽にはJazzやアメリカントラッドの他にメキシコ音楽も。
1987年以降、メキシコ音楽を収録したアルバムを3枚発表しています。
1987年 "Canciones De Mi Padre" (My Father's Songs)
1991年 "Mas Canciones" (More Songs)
1992年 "Frenesi"
"Canciones De Mi Padre"というタイトルは、私の父の歌という意味。
どれも素晴らしく伸びやかな声で歌い上げており、全部揃えておきたいところです。
(私は2作目の"Mas Canciones"が一番好きです)さて、最近のアメリカのニュースに、メキシコ系移民の取締りに関するものがあります。
米移民に厳しい州法成立 外見で職質、差別と批判も
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100424/amr1004241125002-n1.htm
不法滞在の疑いがあると外見などで判断した移民を警官が職務質問し、逮捕も可能にする州法が23日、米西部アリゾナ州で成立した。メキシコなどヒスパニック系の不法移民摘発が目的で、AP通信によると、全米で最も厳しい移民法。人権団体などは「人種差別につながる」と反発している。
この記事だけ見ると「違法なんだからがんがん取り締まれ!」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単な話ではありません。
さらに、サラ・ペイリン(共和党前副大統領候補)が全州に拡大しようとしている点が問題になっています。
・警察官は不法滞在の人間を見逃すと罪に問われる
・証明書を携行していない者は証明されるまで拘留される
という点にあります。
「現代のゲシュタポ」 波紋広げる移民法強化 背景に不法入国者の増加
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100502/amr1005022307006-n1.htm
Linda Ronstadtは、アリゾナ州に対して抗議の声を上げている一人です。
他にも多数のミュージシャンが抗議しています。
そもそも、「不法移民」という区分けが違うという声も。
元々、テキサス、アリゾナ、カリフォルニア、ニューメキシコはメキシコの土地だったという歴史を知る必要があります。
米墨戦争(1846年〜1848年)でアメリカがメキシコに侵略した土地、メキシコから奪った土地です。
アメリカではメキシコ戦争 (Mexican War) として知られている。メキシコでは、アメリカのメキシコ侵略 (North American Invasion of Mexico) 、アメリカの対メキシコ戦争 (United States War Against Mexico) 、北部の侵略戦争 (War of Northern Aggression) として知られているhttp://ja.wikipedia.org/wiki/米墨戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/メキシコ割譲地
よく知られた、"Los Angels", "San Francisco" という地名はスペイン語です。
「国境を我々が越えたんじゃない、国境が我々を越えたんだ」という声に私も賛同します。
詳細は、町山智浩さんのPodcastを。
TBSラジオ キラ☆キラ 映画評論家・町山智浩さんのPodcast
http://www.tbsradio.jp/kirakira/2010/05/2010528-3.html
Ry Cooderは、アリゾナの移民法に抗議する曲を発表しています。
http://www.vintagevinylnews.com/2010/06/ry-cooder-premiering-new-song-on.html
iTSでの発売のみ。いまのところ日本のiTSでは販売されていません。
http://itunes.apple.com/us/album/quicksand-single/id377809789
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