2013年12月24日

ハード偏重からソフト重視 - どういう環境で鳴らしレビューしているのか、どう聴いて欲しいのか

「自分史」みたいな小っ恥ずかしいものが冒頭にあるのもなんなので、ブログを更新せねばということに。
1980年代あたりまでのハード偏重な時代(機器は豪華だけど少ないソフトという時代)を知っていると、当時は「オーディオ好き」と「音楽好き」がはっきり分かれていたんじゃないのかなと思います。(後者は自分で演奏する方向に進んだり)


音楽誌でオーディオ機器の話が出てくるのは稀で、新譜の試聴用はカセットテープという時代でしたから、試聴用のカセットで新譜レビュー(速報)、そのあとにサンプル盤が届くなり、市販のレコードを購入するなりして翌月号にレビューが掲載されて、カセットのときと印象がどうのと書いてある程度。

たとえばこんな感じ。

ミュージックマガジン 1987年6月号
クロスレビューでの Prince - "Sign o' the Times" 中村とうよう氏の評
音に関しては先月の”ピックアップ”で書いた以上のことは別にない。レコード会社からサンプル盤も届いたが、レコードで聞き直すことはしていない。初めカセット・テープ1本に収めたので何度も聞いた。2枚のレコードで聞くと印象が違ってしまいそうで、どうしてもレコードに手が伸びない。
ジャケットにガッカリしたのも事実。内袋の方がシンプルですっきりしていて、サウンドのイメージにもぴったり合っており、ぼくは好きです。9点

CDの売上比率が上がっていた1987年でもこんな感じ。
その後ちょっとしてレコードからCDへメディアの移行が行われ、音楽評論の世界にも大きな変化があったように感じています。

それまでは「音楽」に関しては言及するけど「音」についてどうこうというのは少なかったけど、CD化にともない、これまで聞こえにくかった部分が聞こえるとなった表現が出てきたのも大きな変化。

音楽評論家という方々がどういう装置で聴いていたのかわからなかったけど、CDの普及に伴って再生環境が向上したんじゃないのかと思うわけです。
レコード再生の場合、どんなプレイヤーでどんなカートリッジで再生しているのか、セッティングはどうなのかなんてことまで気になるわけだけど、もちろん音楽誌には書いてないわけですよ。
CDであれば再生機器(CDプレイヤー)やセッティングでそんなに大きな差は出ないから、より一般リスナーに近付いたと考えるべきかと。

音楽評論家でも高価な機器でそれなりの環境で再生した結果なのか、システムコンポやラジカセで聴いた結果なのか。
音楽(本質)が優れていれば装置は関係ないなんてことはきれい事で、やっぱりそれなりの再生環境の上で再生されてこそという部分もあると思うわけです。

いまの音楽誌でもどういう環境で聴いたのか書いてあることは稀で、音源は何で、どう再生したのかなんてことは書いてないのですけどね。
ヘッドフォンで再生したのか、PCのスピーカで聴いたのか、ラジカセで聴いたのか、オーディオ用のスピーカで聴いたのか。
特に電子機器を多用した音楽の場合はヘッドフォン再生なのか、スピーカ再生なのかだけでもずいぶん印象が違ってくるんだけど、こういうところに言及してくれるのはまだまだ数が少ない状態。

そんななか、音楽評論家やオーディオ評論家を抜きにして、ミュージシャンと(オーディオ)メーカが直接やっちゃう企画が続いています。

タワーレコード bounce
http://tower.jp/mag/bounce/


タワーレコードとソニーのコラボレーションで、ミュージシャンとソニー製ヘッドフォンという組合せで音楽を語る、音を語るというもの。

"MUSIC LOVES SOUND" とあるように、いままで別媒体で扱われていた「音楽」と「音」を同一線上で扱う良い企画だなと感じてます。

TOWER RECORDS ONLINE - MUSIC LOVES SOUND
http://tower.jp/specialmedia/mls/hp



自分の好きな音楽ジャンルに合ったヘッドホンで聴くとその音楽がもっとイキイキする!」とあるように、こういうアプローチがもっと前からあっても良かったように思うんですよね。

ソニーは映画や音楽を手掛けている会社だからできるんじゃないの?と思うけど、JVCにはVicrorがあるし、以前であれば東芝だって傘下に東芝EMIを持っていたわけです。もっと遡れば、DENONは日本コロムビア、パイオニアはワーナーパイオニアと、「レコード会社の親会社がハードを売っていた」「レコード会社は家電メーカの子会社」という状態でした。


レコード会社が統合され、世界的には3つのメジャー(ユニバーサル、ソニー、ワーナー)になってユニバーサルに吸収されたEMIからはおいしいところだけ(BeatlesとかBeach Boysなど)残してあとはワーナーに移ったりとか寡占化でややこしいことになった時代、ソフトウェアを売る会社の規模が大きくなったから、流通形態が変わったからこそできるのかもしれませんけれど、ソニーとタワレコのコラボ、オーディオ好きと音楽好きの敷居を無くす取り組みだなと思って注目しています。

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