2013年7月28日

「マルチメディアコンテンツ」を死蔵させないために

いろんな場所の図書館を利用してる側の人間としては気になる記事が。

東京新聞 2013年7月28日 07時04分
開かずの電子資料 OS更新 図書館泣かせ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013072890070429.html
 各地の図書館で、CD-ROMなどの電子媒体で保存されている資料の一部が、パソコンのOS(基本ソフト)など、デジタル環境が刷新されていく中で、見られなくなっている。図書館側も問題を認識しているものの対策は難しく、手をこまねいている状態だ。専門家は「電子資料を持つすべての機関に関わる問題。このままだと貴重な記録も消失する」と危惧する。

1990年代に数多く作られた「マルチメディア」なコンテンツ(作品)、私もいくつか所有してますし、たしかに動かなくなっているものが多いなって思います。

一時期、ミュージシャンがインタラクティヴなCD-ROMをリリースしてということが流行したんです。トッド・ラングレンやプリンスのものは購入したし、デヴィッド・ボウイとかも出してたんじゃなかったかな。
音楽関係以外でも、赤瀬川原平氏の「トマソン」作品もあったし、一時期でしたけど、いろいろな作品が発売されていました。

No World Order - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/No_World_Order
Prince Interactive - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Prince_Interactive
1996/10/17 ジャストシステムと筑摩書房、CD-ROM出版分野で協力
http://www.justsystems.com/jp/news/96l/news/j9610171.html

Microsoft Windows で動くもの、MacOSで動くもの、両方で動くもの(Hybrid)があったわけですが、当時のWindowsですから、Windows 95 とか Windows 98 の頃。MacOSは、MacOS7.6 とか Mac OS 8 あたりの頃。

株式会社ボイジャーの沿革を見てみると当時どんな作品がリリースされていたのかがわかるかと思います。(ボイジャーが手掛けたものなのでほんの一部ですけどね)

http://www.voyager.co.jp/company/history.html
1993. 5 "A Hard Day's Night"(ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!)が、米Mac User誌上において年間Best CD-ROMに選ばれる。日本国内だけでも25000本以上を売り上げる。
これは私も買いました。
内容は QuickTime Movie なのでメディアがあれば今でも QuickTime Player で再生できると思うけど、これはシンプルな内容だったから特別かと。

東京新聞の記事(つづき)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013072890070429.html
 国会図書館にも、OS更新後、見られなくなった資料がある。同館では当面の対処として、現在利用しているより前のバージョンのOSが入ったパソコンも閲覧室に置き、なるべく多くの資料が再生できるよう工夫している。担当者は「電子資料は、どうしても読み取りの機械に依存する。図書館だけの問題ではない」と話す。再生できない資料は、死蔵状態となるが「捨ててしまえば、将来的にも見ることができない」と保管を続ける。

「やっぱり紙には敵わないなぁ」と思うと同時に、これからの課題でもあります。

地方自治体の図書館であれば「ひと・もの・かね」の限界があるから仕方が無いという面があると思うのですが、さすがに国会図書館でこういう状態になっているのはまずいと思うんですよね。

株式会社ボイジャーの沿革から拾えば、「1998.11 新潮美術ROMシリーズ完結編「ルーベンス」発売。」「1998.9 「人体探査航〜Body Voyage〜」発売。」とありますから、こういうものが閲覧できない状態になっているんじゃないかと思います。

古いOSを動かすためにPCをスタンバイしておいて、というのも対応策だと思うですが、VMware Fusionを使っていて思うのは、こういうものこそVM(仮想マシン)で動かせるようにしておくべきだと思うんですよね。

iMac + Parallels Desktop for Mac 、そして当時のOS(Windows3.11以降)があれば容易に解決しそうなんですけど。
アップルでもマイクロソフトでもいいから、国会図書館に寄贈すればいいのにって思えてしまいます。(費用は経費で買えるレベルなんだけど、運用となると技術や人材の支援が必要になりますからね)

MacOS 9.2以前(つまり MacOS X になる前のClassic OS)で動くものはどうするの?って話もありますが、こっちの方が深刻なんですよね。

ゲーム機の世界でも同様で、こちらは1980年代に発売されたゲームでも「ファミコン互換機」なるものが存在するからゲームカートリッジが今でも流通してますね。
ファミコンの前となるとヴィンテージ機器扱いになってそうですけども。

閑話休題。
音楽や映像の資料は、レコード(アナログ盤)を処分してCDに切り替えた図書館が多いように思います。(蔵書検索で出てこないところがほとんど。茨城県立図書館はアナログ盤の館内利用が可能で特別な例かと。茨城県立図書館にはレーザ読み取り式のアナログプレイヤーが置いてあるんです。これだけでも行く価値あり、ぜひご利用を)

茨城県立図書館
http://www.lib.pref.ibaraki.jp/home/index.htm
http://www.lib.pref.ibaraki.jp/home/gaiyo/gaiyo.htm


映像資料の場合、VHSカセットのものはいまも貸出や館内での視聴が可能になっていますが、これも数年後にはDVD、Blu-rayに切り替わっていくのかもしれません。

しかし、同じものがDVD化、Blu-ray化されていればいいんですが、「VHSで一度発売されたきり」という作品も多く、「著作権切れ」にならないと新しいメディアでのリリースが絶望的という感じもあります。(音楽の場合もアナログ盤でリリースされたっきりCD化されてないものもたくさんありますしね)
著作権の保護期間延長の動きがありますが、私はこういう理由から「延長には反対」という立場です)


#そういえば国家予算をふんだんに使った「インパク」なんて削除されてそれっきりですからねぇ。都合の悪い資料は焼いてしまうとか、そういう感覚なのがこの日本という国ではあります。

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