2013年11月19日

天野祐吉さんと「私」 天野祐吉さんを偲んで

天野祐吉さんが亡くなったと聞いたときは、島森さん(島森路子さん)に続いてか・・・とやはり落胆。

朝日新聞
http://www.asahi.com/topics/word/天野祐吉.html
朝日新聞デジタル:世を映す窓、見つめ続けた 天野祐吉さんを悼む
http://www.asahi.com/articles/TKY201310210522.html

MSN産経ニュース:天野祐吉さんが死去 広告批評、コラムニスト 80歳
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/131021/ent13102108550003-n1.htm

とはいえ、1933年生まれの天野さんだもの、今年で80歳。昔と違ってこの時代、「まだ若いのに」という年齢じゃありませんか。

以前から風貌が「おばあちゃん」っぽいところがあった(ご本人が何かの機会に話されていましたね)けど、最近はほんと「おばあちゃん」って感じで、最近まで普通にテレビに出てたんだし、最後まで執筆されてのお別れ。


私がテレビに出ている天野さんを見かけたのは中学か高校の頃。TBSの夜中のニュース番組に出てらしたのを拝見したのが天野さんとの出会いでしょうか。同時期に新聞に執筆されていたコラム(朝日新聞のCMウオッチング)を毎週欠かさず読むようになりました。
その後、天野さんが編集長をしてらした「広告批評」を立ち読みするようになり、買うようになり。そうそう、地方だと置いている書店が少なくて結構大変でした。


新聞に投稿して天野さんのコラムで紹介されたとき、私より友人が先に知っていて学校の図書館に慌てて走り、新聞のコラムに自分の文章(もちろん校正されていましたよ)が紹介されているのを読んだこと、いまでも鮮明に記憶しています。

連載コラム「CMウオッチング」が書籍(のちに文庫化)になり、私の書いた文章の一部が書籍に!と変なところで自信を付けてもらいました。

そのあとも投稿したけど、その時は新聞じゃなくて広告批評の読者投稿欄に掲載してもよいかとのお返事。もちろん快諾し、その号はわざわざ郵送していただきました。

特集「がんばれ、おたく!」ーと今月号はマジメに言ってしまおうと思う。

糸井重里、橋本治、岸田秀、岡崎京子、黒川創、野々村文宏、中森明夫、森山塔、いがらしみきお、稲増龍夫、川本三郎、浅田彰、市川準、えのきどいちろう、竹野雅人、萩尾望都

M氏の事件のことで「おたく」がクローズアップされ、散々ネガティブキャンペーンが繰り返された頃の号。(今では報道する側のヤラセだったことが判明していますが)


当時はバブル期。とはいえ、地方在住の学生には何のことやらでしたけどね。「シュワちゃんがヤカンを持った」CM(日清カップヌードル)を流してたんだから、やっぱりバブルだったんでしょう。

いまでは雑誌の廃刊が相次いでいますが、これもスポンサーが減り広告収入が減ったから。民放のテレビ番組がどんどん近場ネタ(以前だったら海外ロケ、今じゃ近場の商店街)、ひな壇タレント全盛(単価の安い人を並べる)になったのもスポンサーが減り、広告収入が減ったからでしょう。(そう考えると、マツコデラックスって人はリーマンショック以前であればものすごいお金を稼いでいたんでしょうね。タイミングが悪かったとしか言いようがないケース)


広告批評を買うために仙台の書店に行ってという話は島森さんのときに書いた通り。
その広告批評が休刊となり、新聞を購読しなくなり、天野さんのコラムはたまに図書館で読む程度になったけど、NHKなどに天野さんが出ていると「おばあちゃんぽいなぁ」と思いつつ、拝見しておりました。

多感な時期に天野さんという存在を知ることができ、本当に良かったなと思っています。
世の中をちょっと違った視点で観察することの面白さと大切さ、変だと思ったことは面白がるという楽しみがあるということを学ばせていただきました。

後任編集長の島森さんが4月に亡くなられました。2013年という同じ年に天野さんまで亡くなるとは驚きですよ、やっぱり。ご冥福をお祈りいたします。



マドラ出版 月刊広告批評122号 1989年11月号 「手紙」より

東芝の挑戦
 今までの「テレビ」のCMは「こんなにキレイにうつります」的なものがほとんどで、我家の古いテレビで見ていてもそれなりにキレイに映ってた(でも最新型の高画質テレビのCMを古い「ソレナリテレビ」で見るっていうのも変だなァ。古いテレビでもソレナリにきれいに映ってしまうなんて)ので安心して見ていられましたが、最近の東芝のテレビのCMは攻撃的になり、とても安心して見ていられなくなりました。
 少し前まではホソノ氏がベースギターを弾いて「この音、聞こえますか?」と言って攻めてましたけど、今度のはもっとスゴかった。あのマサカズ氏がベタがドーシタコーシタと言ってるアレです。このCM、最後のところでマサカズ氏が手で画面を、いや、カメラをかな? それを塞ぎ「あなたの黒、グレーっぽくありませんか?」と攻撃してきます。このマサカズ氏を初めて見た時、「ウッ、グレーっぽい」と言ってしまいました。(ウソ)
 比較広告が解禁されたとは聞いていたけど、どれもエンリョがちで、今思いつくのはやはり、あのホソノ氏の「ダッシュ」のCM(最初の頃やってたやつ)くらいでしたが、この東芝「バズーカ」のCMは茶の間(古い!)で見てるテレビ全てと戦ってしまうところがスゴイと思います。「バズーカ」以外は全てライバル・・・という感じで、東芝のイキゴミが感じられます。東芝バンザイ!サザエさんバンザイ!原発反対!

注釈
  • 私が投稿したものです。
  • 文章をそのまま掲載というわけではなく、編集部での校正された文章が掲載されています。
  • 「カタカナ」遣いが多い=天野さんの文体の影響もだけど、そういう時代だったのです。
  • ホソノ氏=細野晴臣さん
  • マサカズ氏=田村正和さん
  • 東芝「バズーカ」=東芝の高級テレビシリーズ。この記事によるとヒットしたみたい。(日経BPの記事
  • 「この音、聞こえますか?」のCM=これです。
  • 「あなたの黒、グレーっぽくありませんか?」のCM=動画が見当たらず。掲載雑誌紙面から。
  • 「ダッシュ」のCM=ライオンの全自動洗濯機用洗剤「ダッシュ」のCM。細野氏が「全自動洗濯機を使っているのにもったいない」と洗濯物を干している主婦に向かって言うCM。ニコニコ動画に動画あり
  • サザエさん=当時は日曜夕方のサザエさん(フジテレビ)は東芝の一社提供でした。
  • 原発反対=1986年にチェルノブイリ原発事故がありました。日本では北海道に泊原発、青森には六ヶ所村の核施設群・・・と原発推進の動きが激しかった時代です。(実際にこの頃に運転を開始した原発が多い→資料
関連
島森路子さん逝去
http://tiiduka.blogspot.com/2013/04/blog-post_24.html

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