2012年5月25日

ポータブルCD-ROMドライブ(Panasonic KXL-800A-N)

パナソニックのポータブルCD-ROMドライブ、KXL-800A-Nです。
1997年1月に発売された最大10倍速のCD-ROMドライブで、音楽CD(CD-DA)の再生も行えるものです。

ポータブルCD-ROMドライブでは、ソニーのPRD-650パイオニアPCP−PR1を取り上げましたが、ソニーとパイオニアは1996年の発売、パナソニック(当時は九州松下)は翌年の発売となっています。

PC Watch - 松下電器、10倍速ポータブルCD-ROMドライブを発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970116/p10xcd.htm
松下電器産業株式会社は、10倍速アクセスのポータブルCD-ROMドライブとして、スピーカー内蔵の「KXL-803A-N」(標準価格:49,800円)と、スピーカーを装備しない「KXL-800A-N」(標準価格:45,800円)の2製品を、1月25日より順次発売する。
CD-Rへの書き込みができない、CD-ROMを読むだけの装置なんですが、昔は高かったんです。
付加価値として音楽の再生も可能ですよというもの。スピーカ付きだと4000円高いんですね。

縦長のデザインです。パイオニアPCP-PR1と似たデザイン。


音楽CDの再生に必要なスイッチは適切な場所に配置されています。
上面左から、上蓋のOPEN、液晶表示部の右はMODE、曲戻し、曲送りの小さなスイッチと再生。一時停止の大きなスイッチ、その右に停止スイッチ。


ボリュームは再生スイッチの下にあります。


上面のOPENを押すと上蓋が開きます。
そこそこ大きく開くので脱着は容易です。


左側面にはLOCKというスライド。上蓋のロック機構です。


右側面手前にはヘッドフォンジャック。ラインアウトはありません。


右側面の奥に電源スイッチがあります。



底面には電池ケースとSCSI IDやターミネート設定要のDIPスイッチ。
電源は専用のバッテリーパックか単3電池6本、ACアダプタ(DC13Vセンター+)となっています。


背面部にはSCSI端子とDCジャック。


ここまで見ていくとパイオニアPCP-PR1との共通点がいくつも出てきます。
(電池ケースの配置やDCジャックの仕様、電源スイッチの場所などなど)

右がパイオニアPCP-PR1です。
外観は縦長のデザインという共通点はあるけれどパイオニアの洗練されたデザインとごちゃごちゃしたKXL-800A-Nという感じ。


上蓋を開いて比較すると、ピックアップユニットそのものは違うものだということがわかります。



手前側がPCP-PR1です。
電源スイッチとヘッドフォンジャックの位置が同じに思えます。


上蓋が電動式じゃないとか、底面のDIPスイッチの配置が違うなど「違う要素」は多々ありますが、共通点が多いですね。

KXL-800A-Nですが、アナログラインアウトが無いのは残念な点です。(スピーカ内蔵のモデルがあるのだからラインアウトは不要ということでしょうかね)
CDの再生が終わると電源が切れるのは面倒です。(右奥の電源スイッチを再度入れる必要がある。電池の消耗を減らすためでしょうが、CD再生をメインで考えると面倒です)

状態が良いものが多いと思うので見かけたら確保してみてはいかがでしょうか。


追記
ディップスイッチ周辺の写真と設定(KXL-820ANのもの)を追加。

DIP-SWは1〜4です。
1,2,3の組合せでSCSI IDを設定。4はターミネータのON,OFFです。


SCSI IDの設定はKXL-820ANの取説から。


SCSI IDの設定は同じバスの中で重複しないようにする必要があります。
7は通常ホストに割り当てられているんで避けるのが吉。

WindowsPCの場合はこちら。
http://panasonic.jp/support/p3/recover/data/810/810_select.html

Apple PowerBookの説明文はこちら。
http://support.apple.com/kb/TA21592?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP

8 件のコメント:

  1. もう森へなんか行かない2012年11月11日 20:42

    はじめまして。
    非常に多くの、多くは忘れられやすい機種を収集されており敬服いたします。また、ガム型充電池の記事も以前参考にさせて頂きました。掲載機ではSony D-E999を所有しております。(他4機種)
    本機、先日アキバで300円で購入しました。ACアダプタの仕様が分からず定電圧タイプでないHPプリンタサーバ用の13V/625mA ACアダプタを使っています。もし純正ACアダプタも合わせてお持ちでしたらアダプタ記載の電流値をご教授願えれば幸いです。

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    1. コメントありがとうございます。
      ポータブルCD-ROMドライブは一時期よく見かけたものですが、さすがに最近は見かけることが減りました。
      パイオニアの同時期の製品用では、13V1A(QWX1061)という規格でした。
      PanasonicのACアダプタは現在手許にないのですが、同様かと思います。

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  2. もう森へなんか行かない2012年11月13日 23:20

    ご回答ありがとうございました。1Aとはポータブル機にしては大きいように思いますが充電兼用であることなど加味すれば納得しました。ACアダプタも熱くなっていませんし、このまま自己責任で手元のHP用を使うことにします。アマゾンなどでは音楽CDプレーヤの値段が高騰しており、液晶やボタンが付いていて音楽用としても使えるPC用のプレーヤを探していたところ見つけた次第です。

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  3. UMEです。
    はじめまして。
    先日このドライブを入手しました。
    SCSI ID、ターミネーターの設定は底面のDIPスイッチで行うようになっていますが、マニュアル等がなく、また、接続予定のPowerBook165も不調のため実機に接続して試行錯誤することが困難です。宜しければDIPスイッチの設定方法を教えていただけないでしょうか?

    名前欄に上手く入力できないので匿名にしています。

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    1. ディップスイッチ周辺の写真と同様の設定をするモデルの取説を追加しました。
      ご確認ください。

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    2. UMEです。
      ありがとうございます。
      取説画像は保存させていただきました。

      確認したところ、SCSI ID NO:5、ターミネーターONの設定になっていました。
      これで手持ちのMOドライブと併せてこのドライブもPowerBookの修復に投入できそうです。

      ただ、残念なのは昨晩色々と弄り回していた際に電池ボックスの蓋にひびを入れてしまったことです。
      古い物なのでプラスチックが劣化していたのでしょうね。

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    3. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  4. はじめまして。
    2019年の秋葉原のジャンク福袋でこいつのほぼ新品箱入り品をゲットして、
    なにげなく検索してたらこのページに辿り着きました。
    今のポータブルCDプレーヤーと比べると、豪華絢爛な機能を詰め込んだ、
    まさにフラッグシップな製品ですね。
    疑似3D音響のSpatializer機能(二段階調節可)なんて、現行で発売中の
    CDプレーヤーでついてる商品なんぞ存在しないですし。そもそもプレーヤー
    自体にスピーカーが付いてる機種すらも最近見かけたこと無いですし。
    ドライバの入ったフロッピーは劣化で磁性体がボロボロになってたので
    Panasonicがドライバ配布を終えてしまった今となってはPCMCIA接続の
    PC用外付けSCSIドライブとしてはもう使えないかもしれないけど
    CDプレーヤーとしてだけならば今でも十分通用するというのが凄いですね。
    本体はガリ音もなくピックアップ周りがもたつくこともない完動品でした。
    もう発売から22年以上経過しているのに劣化で壊れずこんな状態で
    残ってたのが驚きです。
    のぞき窓と液晶部保護のビニールすらつけられたまま!
    昔は私も姉妹品(スピーカーなしの安い方)を使ってましたが詳しいことは
    全く覚えておらずこのページは少なからず参考にもなりました。
    まぁ、同梱されてる新品マニュアルにも同じ内容がいろいろ載ってますが・・。

    最後の投稿返信が6年前なのでもう誰もリアクションしないかもしれませんが
    今頃になって使い始めた輩がここにいますぞ、と言う事で。

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