2011年10月7日

ジョブズが亡くなって(デジタル・ハブからクラウドへ)

Appleの元CEO、スティーブ・ジョブズが亡くなったということでIT関係のサイト以外の一般のニュースでも大きく取りあげられているし、何をいまさらという感もあるのですが、亡くなる前に書かれていたアスキー遠藤さんのコラムと小飼弾さんのBlogを再度読み直していました。

アスキー総合研究所
所長コラム : スティーブ・ジョブズはどこにでもいる
http://research.ascii.jp/elem/000/000/066/66264/
所長コラム : (続)スティーブ・ジョブズはどこにでもいる
http://research.ascii.jp/elem/000/000/066/66269/

404 Blog Not Found
「どこにでもいるJobsに、だれもがなれない理由」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51724262.html

Jobsは料理の鉄人である以上に、農夫であり、養父なのだから。
Wifi普及の最大の功労者がAppleであることに異論を挟むのは難しい。Airport Base Stationの発表は1999年7月。802.11bが正式規格になったのは1999年9月。Airport Extremeが2003年1月なのに対し、11g正式化は2003年6月。Aiport Exteme がドラフト段階の11nのサポートし始めたのが2007年1月に対し、11n正式化は2009年10月。

たしかにWiFiの普及という意味でAppleの功績は大きいと思います。
日本では商標登録の関係で"Airport"が使えず"AirMac"になってますけど。

加えて言うならUSB1.1の普及もかなと。
USBという規格は出来たけど、ハードウェアではNECのNXシリーズ(NECが"98"からAT互換機へ舵を切った最初のシリーズ)でUSBキーボードが標準だったりしたけどその程度。
OSが標準サポートしたのが遅かったというのもありましたしね。

1998年のiMacでAppleが使っていたADBやSCSIと言ったレガシーデバイスを切り捨てて「USBだけ」にしたのはやはり影響が大きかったと思います。一時期、USB機器はiMac(G3)のトランスルーセントデザインばかりだったのもその影響かと。
(FireWireはAppleが規格制定に関係してるけど、縮小傾向なのはご存じの通り。ジョブズ復帰以降もすべてが「当たり」だったわけではありません)

私が思うジョブズの功績は、10年前に「デジタル・ハブ」という考えを示し、実際にそうしたこと。

先日発表された iOS 5 では、"PC Free" となり、デジタル・ハブから一歩踏み出すことになります。
「デジタル・ハブ」から、「クラウド」へという変換点。

http://www.apple.com/jp/ios/features.html#pcfree




すべてのiOSデバイスがコンピュータから独立します。iOS 5では、もうiPad、iPhone、iPod touchをコンピュータにつなぐ必要はありません。アクティベートも、セットアップも、デバイスを箱から出したらそのままワイヤレスで。

これまでのPC(Mac)が中心にあってという形態から、PC不要のクラウドを中心としたものに。

すでにAppleでは次の次まで考えていることなんでしょうから、この時期にスティーブ・ジョブズ氏が亡くなったことが影響するとは思っていません。

しかし「デジタル・ハブになる」と宣言したときのようなインパクトを実感できずにいるのは、当方の感受性が落ちたせいなのか、MobileMeでの失敗を知っているからなのか。

数年後、どのようになっているのやら。
2〜3年先はわかるけどそれ以上は無理とジョブズ氏本人も語っていましたからね。

NHKでは追悼ということで、「クローズアップ現代」へジョブズ氏が出演したときの番組を無料視聴できるようにしています。

NHK クローズアップ現代 パソコン界の先駆者
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=1403


2001年 3月29日放送のものなので、iPadやiPhoneはもちろん出てきませんし、iPodも発売されていない時期の番組。しかし番組の中で話される内容はすでにiPodやiPhone、iPadを連想、想像させるようなものになっていることに今更ながら驚きました。

合掌

0 件のコメント:

コメントを投稿