2011年5月6日

ポータブルCDPの出荷ピークは1998年と2001年。JEITAの出荷台数統計でわかるもの

今回はケンウッドのポータブルCDプレイヤーについてまとめてみました。(1997年1998年1999年2000年2001年2002年以降

メーカが過去の製品情報をWebで公開していればよいのですが、古い製品情報を残しているのはPanasonicぐらいというのが実情で、過去の商品情報やニュースリリースを辿っての作業になります。今回、ケンウッドの製品をまとめていた際に以下の記述を見つけました。

1998年のニュースリリースより
ポータブルCDプレーヤー市場は、ここ数年ポータブルMDプレーヤーが急速に普及する中でも、依然として年間200万台以上の出荷が見込める安定した市場です。


なるほど、ポータブルMDプレイヤーが普及しているときでもポータブルCDプレイヤーは年間200万台以上の出荷があったということですね。「安定した市場」という部分から年間200万台ぐらいのペースであったということも読み取れます。


1998年、DPC-797発売時のニュースリリース
製品の企画背景
 携帯型CDプレーヤー市場は、ここ数年携帯型MDプレーヤーが急速に普及するのに伴ってやや縮小傾向にありますが、97年度の国内出荷台数は約205万台と依然として大きな市場を形成しています。98年度も200万台近くの出荷が見込め、当面は携帯型CDプレーヤーと携帯型MDプレーヤーの共存が続くものと予想されます。
 また、携帯型CDプレーヤーが手ごろな価格で購入できるようになったことでユーザー層は年々広がりを見せており、それに伴ってユーザーのニーズも一段と多様化しています。

縮小気味とは言え、1997年度(1997年4月〜1998年3月)実績では約205万台だったことがわかります。


2002年8月、DPC-X527発売時のニュースリリースより
企画背景と製品の概要
国内ポータブルCDマーケットは、1998年度の約225万台をピークにやや縮小傾向にありましたが、2001年度には、約259万台(前年比約118%)とその規模を再び拡大させました。この背景には、Jポップのマキシシングル化が進み、これまで以上にCDの楽しみ方が拡がったことなどが考えられます。

2002年のニュースリリースでは、1998年度の約225万台というのが一つのピークだったことが書いてあります。1998年のニュースリリースでは「やや縮小傾向」との記述がありましたから、その前にもピークがあったものと思われます。そして2001年度に約259万台と1998年度の台数を上回ったとのこと。

1998年頃にピークでその後は下がっていったのかと思っていましたが、もう一つのピークが2001年だったようです。
マキシシングルの影響について書かれていますが、これはそれまでは8cm盤のCDシングルだったものが、12cm盤になったことを指しています。Wikipediaの「日本においては1998年-2000年頃にかけ12cmCDへの移行が進んだ」という記述に合致します。


JEITAで出している統計をちょっと調べてみました。

JEITA 一般社団法人電子情報技術産業協会
http://www.jeita.or.jp/japanese/index.html
統計資料 民生用電子機器国内出荷台数
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/shipment/2011/index.htm

2000年以降のデータが公開されているので、2010年までのデータを用いました。
各年の1月〜12月の総出荷台数(単位は千台)、集計項目は統廃合があったりするので、2006年以降はポータブルCDプレイヤーとポータブルMDプレイヤーはそれぞれCDプレイヤー(据置含む)、MD(録再、据置含む)のデータとしています。

2005年までの「ヘッドフォンステレオ」はカセットテープを用いるもの。
2006年からのデジタルオーディオプレイヤーは総数とフラッシュメモリを用いる内数をプロットしました。(ケンウッドのプレスリリースは4月から3月の年度ですが、このグラフは1月から12月の年度になっています)



オレンジのグラフ、ポータブルCDプレイヤーの出荷台数は、ケンウッドのプレスリリースにあった通り2001年にピークがあったことがわかります。

2000〜2002年が200万台以上なのは、マキシシングルの影響の他に、CD-R/CD-RWが一般的になってきたことでCDプレイヤーが延命された(逆にカセットを使わなくなった)こと、ポータブルCDプレイヤーでMP3などのデータを再生できるようになったことがあるのではないかと思います。
(一時的な「延命」でその後はHDD式やフラッシュメモリ式のデジタルオーディオプレイヤーに置き換わる)


黄緑のポータブルMDプレイヤーは2003年のピークを境に急激に出荷台数を減らしていることがわかります。これは(2006年から集計されるようになった)デジタルオーディオプレイヤーに取って代わられたということかと思います。

2006年から項目に追加されたデジタルオーディオプレイヤー(青のグラフ)は2005年のカセット、CD、MDの合計値よりも多く、置き換えだけでなく新規需要を掘り起こしたという感じでしょうか。
2004年にiPod第4世代(Click Wheel)とiPod miniが発売され、2005年にはiPod shuffle、iPod nanoが発売になっています。ポータブルMDプレイヤーが激減した理由になるかと思います。


JEITA民生用電子機器国内出荷台数推移(各年の1月から12月までの出荷台数。単位は千台)
















2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年

ヘッドフォンステレオ 2176 1490 977 552 355 238






ポータブルCDプレイヤー 2150 2492 2350 1737 1311 797






CD プレイヤー





740 641 679 693 786

ポータブルMDプレイヤー 2957 3036 3082 3173 2907 1575






MD





689 338 140 18


デジタルオーディオプレイヤー





6376 6003 6657



(内)半導体メモリ





5464 5095 5982

















参考情報(1)「ポータブルCDプレイヤーの発売状況」
1997年から2003年に発売されたポータブルCDプレイヤー(2ちゃんねる「音質重視 古いポータブルCD 6台目」スレッドより)

SONY(1997-2003に発売されたもの)
1997/03/15 D-140SP
1997/05/10 D-275
1997/05/10 D-375
1997/05/10 D-475
1997/05/10 D-E305
1997/09/01 D-T405
1997/10/10 D-E500
1998/01/09 D-E700
1998/01/09 D-E800
1998/03/21 D-E900
1998/03/21 D-5WD
1998/05/10 D-E400
1998/11/10 D-E505
1998/11/10 D-E707
1998/11/01 D-180WP
1998/11/10 D-E808
1999?/??/?? D-E404
1999/05/10 D-7WD
1999/07/01 D-E01
1999/07/10 D-E525
1999/10/10 D-E990
1999/10/10 D-E880
2000/04頃? D-E770
2000/06頃? D-E660
2000/06/10 D-F700
2000/10/10 D-E999
2000/10/10 D-E888
2001/02頃? D-E777
2001/04頃? D-E666
2001/11頃? D-EJ1000
2001/11頃? D-EJ955
2001/11頃? D-EJ855
2002/02/10 D-EJ775
2002/01/24 D-CJ01
2002/10/10 D-EJ2000
2002/10/10 D-EJ985
2002/11/10 D-EJ885
2003/02/21 D-EJ785

PanasonicのポータブルCDプレイヤー(1997年〜2000年)
1997年
SL-S118z ACアダプター別売
SL-S120 3キーリモコン(ヘッドフォン一体)
SL-S130 10秒X-DSSP 3キーリモコン(ヘッドフォン一体)
SL-S280 10秒X-DSSP 液晶リモコン
SL-S450 10秒X-DSSP 液晶リモコン
SL-S480 40秒音飛びガード 液晶リモコン
1998年
SL-S230 10秒音飛びガード リモコン
SL-SX300 10秒音飛びガード 液晶リモコン
SL-SX400 10秒音飛びガード 液晶リモコン
SL-SX500 40秒音飛びガード 液晶リモコン
1999年
SL-S310 10秒音飛びガード リモコン
SL-SX410 10秒音飛びガード 液晶リモコン
SL-SX510 40秒音飛びガード 液晶リモコン
2000年
SL-SX220 10秒音飛びガード リモコン
SL-CT430 10秒音飛びガード 液晶リモコン
SL-CT570 10/40秒音飛びガード 液晶リモコン


参考情報(2)「 Apple iPodの年表」(2001年〜2007年)(Wikipediaから作成)
(2001年1月 MacOS用のiTunesリリース)
2001年11月17日発売 初代iPod(5GB)※MacOSにのみ対応
2002年7月17日発表 第2世代iPod(10GB、20GB)※Mac版のほか、Windows版も発売
2003年4月28日発表 第3世代iPod(10HB、15GB、30GB)※Mac,Windows両対応
(2003年10月 Windows版のiTunesリリース)
2004年1月7日発表 第1世代iPod mini(4GB)
2004年7月19日発表 第4世代iPod(20GB、40GB)
2004年10月28日発表 iPod photo
2005年1月11日発売 第1世代iPod shuffle(512MB、1GB)
2005年2月23日発表 第2世代iPod mini(4GB、6GB)
2005年9月7日発売 第1世代iPod nano(2GB、4GB)
2005年10月12日発売 第5世代iPod(30GB、60GB)
2006年9月12日発売 第2世代iPod nano(2GB、4GB、8GB)
2006年9月12日発売 第5.5世代iPod(30GB、80GB)
2006年11月3日 第2世代iPod shuffle(1GB)
2007年9月5日発売 第6世代iPod classic(80GB、160GB)
2007年9月5日発売 第3世代iPod nano(4GB、8GB)

参考(3)「iPodの出荷台数推移」
http://ja.wikipedia.org/wiki/IPod#iPod.E3.81.AE.E5.87.BA.E8.8D.B7.E5.8F.B0.E6.95.B0

2004年の第4世代iPod、iPod miniで急激に立ち上がっていっていることがわかります。

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