2015年7月16日

「安保法案」強行採決とイラン核合意・・・ホルムズ海峡は平和な方向に

平和なんとかという名の「安保法案」(aka 戦争法案)が昨日衆議院の委員会で強行採決され、今日の衆院本会議で可決となりました。

1960年以降では長時間の審議だったとNHKラジオのニュース番組では報じてますけど、1つの法案ではなく、実際は11の法案を合わせたものの審議だったわけで、PKO法案の時より長いとかというのは当たらないんじゃないですかね。

昨日のニュース番組を見ていて気になったのは、採決を受けた街の声という街頭インタビューで、集団的自衛権と個別的自衛権の違いをわかってないまま「環境が変わっているので賛成」(攻め込まれたら交戦する必要があるからって、それ個別的自衛権の範囲だから現状でもできますよと)
こんな感じで「雰囲気」で賛成している人もいるのかと。(誤った理解を訂正も補足もせず、そのまま放送しちゃう放送局もどうかしてると思います)



何の因果かわかりませんが、委員会での強行採決が行われた日と同じタイミングで、イランの核協議が合意に至りました。

イラン核協議 最終的な合意 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150714/k10010150591000.html
イランの核開発問題の解決を目指している欧米など関係6か国とイランは、14日、オーストリアのウィーンで外相級の全体会合を開きました。冒頭で、関係6か国側の調整役を務めるEU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表は、「外交が数十年にわたる緊張と衝突を乗り越えられることを示す決断だ」と述べ、関係6か国とイランが最終合意に達したことを明らかにしました。また、イランのザリーフ外相も、「これは歴史的瞬間だ。今、新たな希望のページをめくることになる」と応じ、長期にわたる交渉が結実したことをたたえ合いました。

この外交交渉の結果、日本の集団的自衛権の行使で例に出ていた「ホルムズ海峡の機雷除去の話」がこれで意味を持たないこと(イランがホルムズ海峡を機雷封鎖する可能性が小さくなった)わけで、集団的自衛権の行使という力での方法よりも(粘り強い)外交交渉の方がやはり有効ということを示したのではないでしょうか。

それでも今日の本会議での採決後にはこんな認識なんですが、この方はイラン核合意のことをご存じじゃないんですかね。

安保法案 衆院本会議で可決 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150716/k10010152791000.html
安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。この認識のなかにおいて、日本国民の命を守り、戦争を未然に防ぐために絶対に必要な法案だ」と述べました。

法案セットが参院に移ったことで、この数日だけでも日本を取り巻く環境(前述のホルムズ海峡の機雷除去は)が変わった(厳しい方向とは逆ですけどね)あたりをちゃんと審議して欲しいのと、集団的自衛権を行使できるようになると自衛隊の規模はどのぐらい変化するのか、その予算はどうなるのかなど具体的な話を知りたいところです。

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