2012年7月29日

「今日は一日○○三昧」- NHK-FMの「良心」なのか「免罪符」なのか

先ほどのエントリで取り上げたNHK-FMの特番「今日は一日○○三昧」は2006年1月からの開始だったようですね。

Wikipediaでも2006年からになってます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/今日は一日○○三昧
今日は一日○○三昧(きょうはいちにちまるまるざんまい)とはNHK-FMラジオで放送している、特定のジャンル(音楽に限らない)をテーマにした長時間特別番組のシリーズである。

FM放送に関しては、過去にFM用のアンテナを設置してちゃんと聴くような人だったんですが、最近は聞く機会が減りました。
CDを再生する、iTunesで再生する、ストリーミング配信で試聴するという聞き方の変化ももちろんあるのですが、「聞かなきゃ」という番組が減っているのも原因だと思います。

地元の民間FM局で松任谷由実や山下達郎の番組をネットしてますが、クルマの運転中にたまたま聞くことはあっても積極的に聞くことが無くなりました。
クルマの中ではNHK第一(AM放送)かiPodで音楽を聞くかというのがいつものパターンになっています。
仙台からの電波が弱いことも影響してるかもしれません。(FM放送だと、部屋の中だとiMacを使っているとノイズ混入で駄目で別の部屋だと高感度ラジオじゃないと受信できない状態です。クルマだと問題なく受信できるんですけどね)VHFのアンテナがあった時はFM用にも使えましたが、地デジ化によってVHFのアンテナが撤去され、それも使えない状態です。

民放のFMもありますが、「FM仙台」という名前をわざわざ"Date fm"という名称変更したあたりから聞かなくなりました。(ジングルを聞きたくないんです。それにしても伊達政宗のことどんだけ好きなんだよというネーミングが多すぎますね。NHK総合の夕方ローカル枠は「てれまさむね」でこれまた「伊達政宗押し」。伊達家の家紋は商標登録されていて勝手に使えないんだし、それっぽいネーミングを拝借ってことなんでしょうが、金沢局だと「前田押し」だったり、鹿児島局だと「島津押し」だったりします?ってことです)


閑話休題。で、NHK-FMなんですが、以前は土曜の午後は地方局枠があったり(NHK-FM前橋のローカル枠ではジングルが(人気が出る前の)アルフィーでしたね)、平日の夕方は「軽音楽をあなたに」があって、ビートルズの全曲を放送したのもこの番組。(せっせとエアチェックしました)
夜10時台は曜日毎に変わるパーソナリティの音楽番組(坂本龍一氏やピーターバラカン氏の番組もこの枠)、11時は「クロスオーバーイレブン」という流れで、クラッシック以外の音楽にも積極的だったのですが、一時期から「クラシック音楽がほとんど」という印象になっていました。

私以外にも「NHK-FMはクラシック音楽の番組がほとんど。あとはラジオドラマ深夜便」と思っている方は多いんじゃないでしょうか。
少なくとも私はNHK-FMはクラッシック音楽に占拠されたもんだと思っていました。

で、本題。
「今日は一日○○三昧」のような特定ジャンルの長時間番組をたまに放送して「ガス抜き」「免罪符」にしてるんじゃないかと。もしくは日頃から不満に感じている番組制作者の「良心」「レジスタンス」なのか。

実際にNHK-FMの現在のタイムテーブルを見てみたらクラシック音楽の番組が多いけど、洋楽の番組やJ-POPS(NHKではJ-POPではなくJ-POPSなようです)の番組もあるにはあるんですね。
昔のような構成(比率)では無いけれど、ちょこちょこやってますという感じですけど。

NHK-FMの番組表(東京)ジャンル別
http://www.nhk.or.jp/fm/genre/index.html


このように長いリストですが、洋楽だとこれだけ。
海外ロック・ポップス・ワールドミュージック
http://www.nhk.or.jp/fm/genre/index.html#gnr04

#夕方の時間帯に萩原健太氏の番組もあったんですけどね。現在はTBSラジオの夕方「サウンドキャッチ」で放送中毎日帯で放送してます。

じゃ、日本のは?と思うとこれだけ。
J-POPS&歌謡曲
http://www.nhk.or.jp/fm/genre/index.html#gnr02


小西康陽氏の番組があったのに今頃気付きました。(毎月最終週の1回というペースですが)
佐野元春氏の番組も「復活」していたんですね。

現状はこんな感じ。じゃ、以前はどうだったのかということで、1989年2月のFM情報誌を見てみるとわかりやすいかと。

FMfan 1989 No.5(共同通信社刊)の番組表より。
左が1989年2月20日(月)、右が1989年2月21日(火)です。


小さいけど、赤文字がクラシック、青文字がジャズとフュージョンです。黒文字はそれ以外。ドラマとかも入ってます。
クラシック音楽の番組ってこんな感じだったんです。

22時台(22:15〜23:00)の「ミュージックシティ」は、Wikipediaにも情報が無いんで書き出してみます。45分間の帯番組として機能していた時代の編成ですね。新しい音楽、曲を知る機会=ラジオ番組だった時代のもの。
  • 月曜:西森マリー(サブタイトル「ロック・サウンド」)
  • 火曜:ピーター・バラカン(サブタイトル「ロンドン発ピーター・バラカン」)
  • 水曜:水野左知子(サブタイトル「ニュー・スタンダード」)
  • 木曜:萩原健太(サブタイトル「ヒット・ポップス・アンコール」)
  • 金曜:大友良則(サブタイトル「ニュー・ヒット情報」)

番組表を比較してしまうとやはり現状は「占拠」された感がありますが、これでも一時期よりはマシになってきたんでしょう。(「今日は一日○○三昧」のスタートもその一つかと)

自分が知らない音楽、新しい音楽を知る機会としての番組が少ないなと感じます。
(民放で放送している山下達郎、松任谷由実の番組もリスナー層がどんどん高齢化してるだけじゃないのかと邪知してしまいます)

「今日は一日○○三昧」という番組は「その趣味の人が共感を得ながら聴く番組」だと思いますし。

http://ja.wikipedia.org/wiki/今日は一日○○三昧#.E6.A6.82.E8.A6.81
2006年1月の第1回のテーマは「ラテン」であった。同じ年の5月には「アニソン」「モーツァルト」「弾き語りフォーユー」と3日連続で放送されたが、この中の「“アニソン”三昧」が予想以上の反響を呼んだ。その後も浪曲や箏曲などの純邦楽、アジア音楽やハワイアンなどの民族音楽、鉄道などのサブカルチャーもの、加えて「大阪」「名古屋」などの「ご当地」ものなど様々なジャンルでの「○○三昧」が放送されている。

今回の「ブリティッシュ・ロック三昧」にしても、興味があるから聞いてみたわけですが、やはりターゲット(リスナー)を絞った内容だなと思う点が多々ありました。
時代背景やアメリカとの関係などていねいな解説ではありましたけど、「ビートルズの曲へのリクエストが多い」と言っていたからそうでもないのかもしれませんが、この番組をきっかけにCDを買ってみるという人がどれぐらいいるのかなと思った次第。

FM番組の衰退も「音楽が売れない」要因の一つだと思います。せっせとエアチェックしてカセットで聴いてたけど、これはというものはパッケージメディア(アナログ盤やCD)で買っていましたし。

広く浅くという人向けの番組、狭く深くという人向けの番組(マニアック)両方に言えることですが、FM番組の衰退で「きっかけ」が減っているという面も大きいように思います。(音楽雑誌は後者の「マニア向け」が生き残りの道になっているような感じです)


#普段FMをちゃんと聴かないような奴の杞憂であればいいのですけどね。

参考
NHK-FMの番組表(東京)週間表示

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