2012年8月1日

NHK総合 SONG -「ビーチ・ボーイズ」

6/16にNHK総合で放送されたSONGSの「ビーチ・ボーイズ」をようやく視聴。
冒頭がいきなりビートルズの映像でなんじゃこりゃ?と思いましたが、一般的な知名度で言えばそんなものなのかなと。(ベンチャーズの方が有名かもしれないですしねぇ)

「イギリスのビートルズ」に対する「アメリカのビーチ・ボーイズ」ということなんですけど、そういう認識になったのって結構最近の話。(ブリルビルディング+モンキーズがアメリカを代表という認識もありましたしね)

さてさて、この番組用にメンバー揃っての出演、バンドの歴史を当時+最近の(演奏)映像、現在のメンバーの解説という進行はわかりやすくていいですね。

NHK SONGS これまでの放送 第223回 ビーチ・ボーイズ
http://www.nhk.or.jp/songs/archive/120616.html



ビーチ・ボーイズ、中でもブライアン・ウィルソンのことをよく知っている人にとってはそんな解説よりも・・・という内容ではありますが、アルバム「ペット・サウンズ」制作時の話は「きれいな話だけ」ですね、やっぱり。

1980年代前半にビーチ・ボーイズを知りレコードを買っていたんですが、「ペット・サウンズ」は少なくとも初心者向けのアルバムとは認知されていなかったことを思い出します。
サーフィン・ホットロッドのビーチ・ボーイズというわけで、いろいろリリースされていた日本独自のコンピレーションアルバムもジャケットはサーフィンのものがほとんど。
アルバム「スマイリー・スマイル」の日本盤解説にはペット・サウンズとスマイリー・スマイルを難解とする内容のものが書かれていたように思います。(ペット・サウンズのジャケ写真で「ブライアンの目がいっちゃってる」的な表現もあったように記憶してます)

レコード・コレクターズ誌が初めてロック系の特集で取り上げたのは「サーフィン・ホットロッド」でこれが1986年7月号。(大瀧詠一さんと山下達郎さんの濃い対談記事。それまでのレココレはジャズ系がほとんど。これ以降、徐々にロック・ソウル系の特集が増え、現在のような内容に)

レコード・コレクターズ誌でのビーチ・ボーイズの「本格的」な特集は1988年10月号と11月号。ブライアンのソロアルバムが出た頃の特集記事。
この特集で「今だから見えてきたその実像」という冒頭記事、アルバムレビューでは「ペット・サウンズ」と「スマイリー・スマイル」だけがそれぞれ1ページ(4段記事)という扱いが大きな変換点だったんじゃないかと思っています。
(大瀧詠一さんの「ブライアンのアルバムの向こうに聞こえるビーチ・ボーイズ」という4ページの記事もあり)

このあと東芝EMIが「ペット・サウンズ」を世界初のCD化(ボーナストラック入りのフライングリリース!)して(山下達郎さんの濃い解説付き)、フライングだったのですぐに廃盤に。
本格的なCD化は1990年の2in1形式でのCDリリース(「ペット・サウンズ」のみ単体リリース)からで、誰でも手軽に接することができるようになりました。(私もまだトールボックス入りだったCDをまとめて買いました。そのあたりから「渋谷系」の流れで「引用」されたりして「ペット・サウンズ」が現在のような評価になったと理解しています。

ビートルズのアルバムで言えば、"Sgt. Peppers〜"至上主義から"Abbey Road"至上主義に変わったのも90年代のような気が。1980年代末のビートルズの「正式な」初CD化の際、"Sgt. Peppers〜"だけがデラックスな装丁でしたもんね。

閑話休題。当時はブライアンのソロ作からのシングルリリースに当てつけて(ブライアン抜きの)ビーチ・ボーイズが「ココモ」をシングルカット(なんと同じ日に!そして映画のヒットもあってココモが大ヒットしてブライアンは惨敗)というような状態で、ブライアンはまだまだ「今みたいな状態」じゃなかったし、バンドとの仲も悪かった(訴訟もありましたしね)んで、この番組でブライアンを含むビーチ・ボーイズが揃って出演なんてのは夢のよう。(いやほんと)

ブライアンを含むビーチ・ボーイズとしてのアルバムリリース、新しい8月の来日公演に向けての特集だったと思うんですが、1960年代後半から1990年代前半までのブライアンの状態、1980年代〜90年代のゴタゴタ、その後の(まさかの)ブライアン・ウィルソン復活(2004年には「スマイル」を再構築、新録音してのリリース!)、そしてようやくビーチ・ボーイズとしての来日となるわけで感慨深いものがあります。(いや、ほんと)

ブライアンについては「定期的なアルバムリリース」+「定期的なツアー」が「あたりまえ」な状態で、今年70歳(ポールと同い年)になっての活躍ぶりにはほんと敬服です。
失われた期間が嘘のような活躍ぶりで、その期間が・・・なんてことを思ってしまいますが、実の弟であるカールとデニスがすでに故人となっているだけに、あとは長生きして下さいとしか言いようがありません。



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