2010年9月21日

Phil Collins - "Going Back" と モータウン

フィル・コリンズの新作、"Going Back" が出ました。
2008便に引退表明、その後の闘病生活などを挟んでの新作です。
80年代の一連のソロ作をリアルタイムで経験しているというおかげで、「Genesisの人」というよりは、ソロで馬鹿売れした人という印象が強いです。

初めて接したのは、1982年発売のソロ2作目の "Hello, I Must Be Going!" に収録されている "You Can't Hurry Love" (恋はあせらず)がシングルカットされ、がFM放送エアチェックしたあたり。

有名なモータウンナンバーですが、モータウンという名称は知っているけどそれ以上のことはよく知らない、そんな時でしたから、この曲の気持ちの良さというのは何なんだろうと思ったものです。


2010年の復活作は、Goffin/King の曲名 "Going Back" を冠した、モータウンを中心とした60年代のアメリカン・ポップス(ソウル)のカバー集となっています。


モータウンのアルバム、今ではオリジナルからコンピレーションまでたくさんのアルバムが容易に入手できますが、私がモータウンのミュージシャンのアルバムを買ったのは、1983年頃だったと思います。

前述のフィル・コリンズのカバー曲を知ったあたりに、The Beatlesの ”Please, Mr. Postman” や "Money" などもオリジナルはモータウンなんだと知ったんだと思います。
(当時はThe Beatlesのアルバムを買うと全アルバムを解説した冊子を配布していて熟読していました)

同じ頃に The Jam の1979年のアルバム "Setting Sons" でカバーしていた  "Heat Wave" を知って、いろんな人が取りあげているもんだな、と思ったものです。

1983年にサントリーのCMでテンプテーションズの "My Girl" が使われ、テンプテーションズのアルバムを買いました。(いわゆるベスト盤ですね)




それ以降、オリジナルのモータウンに興味を持ち、レコードでいくつか収集していきましたが、オリジナルアルバムでの発売は少なく、ミュージシャン単位でのベスト盤でのリリースが多かったように思います。(もともとシングル発売を前提としていた年代なのでそれでも良いのですが)

さて、2010年発売のフィル・コリンズの新作、早速聴いていますが、オリジナルに忠実にカバーしています。バックバンドにはモータウンで実際にレコーディング・ミュージシャンとして活躍していたファンク・ブラザーズのメンバーが参加。
演奏そのものが当時の再演なので、なんでフィル・コリンズが歌っているの?これってカラオケなんじゃないの?と思ってしまいます。(それぐらい忠実なカバーアルバムです)

モータウンや60年代アメリカのソウルミュージックへの愛情、というものは感じます。
フィル・コリンズのファンの方には彼の歌声が加わっているというだけでも魅力的なのかもしれません。
しかし、ここまで完璧にカバー(コピー)されてしまうと、オリジナル曲をこの曲順で収録した方が魅力的なんじゃないのかな?と思ってしまいます。

このアルバムを買うであろう層の人に、今さらモータウンを知って欲しいと思ったのか。
1982年の「恋はあせらず」のシングルカット、そしてそのヒットは少なくともモータウンを知ってもらう導入口になっていたと思うのですが、今作ではどうなんでしょうか。

これからモータウンのヒット曲を聴いてみたいという方には、"Hitsville Usa: Motown Singles Collection" という4枚組のBoxをおすすめします。
1959年から1971年のモータウンのシングルヒット曲を網羅した4枚組です。




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