2014年5月4日

日本での iTunes Match がようやく開始 - ぜんぜんときめかない理由を考えた

Appleが日本に未導入なサービスの一つであった iTunes Match をとうとう開始するようですね。

AV Watch - アップル、国内で「iTunes Match」スタート。年間3,980円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140502_646871.html
 アップルは2日、CDからリッピングした曲を含む、iTunesライブラリの管理楽曲を、iCloud経由でiPhone/iPad、iPod touchやMac/WindowsのiTunes、Apple TVなどで共有できるサービス「iTunes Match」をスタートした。登録は年間3,980円。
なんで日本に導入されないのかなぁ、やっぱり権利関係の調整(著作権法というよりは業界のしきたり)が難しいのかな、と思ってましたが、ようやく日本でも開始されることとなりました。音楽好きとしては、まずは喜ぶべきなんでしょう。

具体的なサービスに関する部分は、
 自分のiTunesに登録されている楽曲と、iTunes Storeで販売されている3,700万曲以上の楽曲のリストを突き合わせ、“マッチ”したものを「その人がiCloudで再生可能な曲」として、iCloud上のライブラリに追加。iTunesで購入した楽曲以外のCDからリッピングした曲なども、iTunes Storeの楽曲とマッチすれば、iCloud上で共有される。これにより様々なiOS機器やコンピューターで音楽ライブラリをネットワーク経由で同期できる。
 例えば、「この前買ったCDの音源がコンピュータにはあるが、iPhoneに入っていない」という場合でも、オンラインからいつでもストリーミング再生できるため、デバイスの容量を気にせずに、自分の持っている音楽をいつでも楽しむことができる。ストリーミング形式は256kbpsのAAC。また、iCloudからiPhoneに保存し、オフラインでの再生も可能となっている
128kbpsという低品質なリッピングデータであっても、データを付き合わせて「マッチ」すれば、iCloudのライブラリに256kbpsびAAC形式のファイルが追加され、ストリーミングでの再生ができるというもの。リッピングし直す必要はなく、Appleからデータが降ってくるみたいな感じかと。
これは Windows や MacOS で動作する iTunes での再生だけじゃなく、スマートフォンなど(囲い込みなので、iOS搭載機器限定)で利用できるというもの。

http://www.apple.com/jp/itunes/itunes-match/




Appleの公式はこちら。
iTunes Store:iTunes Match の登録方法
http://support.apple.com/kb/HT4914?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP

iTunes Match の必要条件:
  • Mac または Windows パソコンの場合は iTunes 10.5.1 以降
  • iPhone、iPad、または iPod touch の場合は iOS 5.0.1 以降
「関連情報」の項目には「注意」と題した制約などが書かれています。
注意
  • iTunes Match で利用できるのは、最大 25,000 曲です。 
  • iTunes Match と同じ Apple ID を使って iTunes Store で購入した曲は、25,000 曲の制限にはカウントされません。
  • マッチしなかったコンテンツはアップロードされますが、アップロードの所要時間はデータ量やローカルネットワークの速度によって異なります。
  • 200 MB を超える曲ファイルは iCloud にアップロードされません。
  • 2 時間を超える曲ファイルは iCloud にアップロードされません。
  • デジタル著作権管理 (DRM) で保護されている曲は、お使いのコンピュータでそのコンテンツを再生できる場合を除き、マッチせず、iCloud にもアップロードされません。
一点目の最大曲数の時点でヘビーユーザは除外ってこと。
なんでもかんでも Mac mini の iTunes にリッピングしたりしてるような人からすると、上限がやっぱりネック。(私は16万5千曲などと表示されてますんで)
USでも同じ条件なんで、数を絞って使えば良いわけではありますが、これは結構面倒。

参考
iTunesライブラリに25000曲以上ある場合のiTunes Match登録方法まとめ。
http://applech2.com/archives/38605961.html
既にiTunes Matchが始まっていた海外でも同じようで、その辺の対処方法は
  1. iTunesに登録してある曲を減らす 
  2. 別途iTunes Match用のライブラリを作成する 
のどちらかで対応するしかないようです。
これじゃ・・・という感じ、わかっていただけるかと。


実際に年間利用費である3980円を支払って、ちゃんとしたテストを行って書くべきなんでしょうが、現時点では「その年間利用費を払うまでのものではないな」と思えてしまうのですよ。
USでこのサービスが開始されたときは早く日本でも開始して欲しいぞと期待してたんですよ、実際。
しかし、USでのリリースから2年以上が経過した現状を考えると、待ちに待ったサービスなのにわくわく感、ときめきというものが感じられないんです。

もう一つはその価格。
日本では3980円/年、USでは$24.99/年です。

http://www.apple.com/itunes/itunes-match/


CD一枚の値段(内外格差)があるんだから、日本盤が割高なようにって思いこんでしまえば良いんでしょうが、安価な輸入盤を積極的に購入する側の人からすれば、こんなところでもまた日本は高いのかよと思えてしまいます。


さらに加えてもう一つは、クラウドサービスという点。

Amazon MP3もクラウドプレイヤーに変更となっていて、Amazonのアカウントに紐付けられた購入曲を他のPCやMac、スマートフォンで利用できるようになってはいるものの、これって便利?と思えるような感じ。
(Amazon MP3で買ったものの全てがリストアップされるのは便利かも、などと思うけど、常時接続速度に左右される点、スマートフォンを使っていないんでクラウド万歳!と思うようなことはなく、恩恵を感じることはありません)

違法ダウンロードを助長しないか?という点については、一定のルールを定めているようです。(有効性には疑問符が付くけど)
ファイルフォーマットについて
  • ALAC、WAV、または AIFF フォーマットの曲は、ローカルで個別の 256 kbps AAC 一時ファイルにトランスコードされてから、iCloud にアップロードされます。元のファイルは変更されません
  • AAC または MP3 としてエンコードされた曲で、一定の品質基準を満たしていない曲は、マッチングされないか、iCloud にアップロードされません
この最後の「制約」は違法に入手したような低品質な楽曲データを高品質なものに変えてしまう「錬金術」、「ロンダリング」を防ぐためのものなんでしょう。(著作権法対策でもあるかと。前述の通り、どこまで有効性があるのかは謎ですが)

あくまでもクラウドサービスなんですよ、という面を強く出しているように思えます。

Apple の「 iCloud にアップロードされるだけで、「元のファイルは変更されない(ローカルにあるデータまで変更しちゃまずいでしょ)というのは、まさに著作権法対策かと。実際に自分で上書きしちゃうってことができるようですから、それは「利用者側の責任」ってことかと。(実際に、ビットレートの低いローカルの曲を削除し、iCloud からデータをコピーして置き換えるなんてことはできちゃうわけですんで)

対象となる音楽ファイルのどこを見てマッチングさせているのか、タグとデータの長さ(曲の長さ)ぐらいなんじゃないの?と思えるわけですが、タグを付けることができないWAV形式のデータを扱うってことはやっぱり iTunes で管理できているものに限定され、その管理情報をもとにマッチングを行う仕掛けのようです。(iTunes の Genius 機能の延長線で考えればいいのかな?)

音楽の買い方、活用の仕方という面では、「着うた」のようなものよりもずっと良いもの(AAC形式の256kbpsという iTunes Storeで販売している楽曲の品質)だと思うけど、既存の iTunes ライブラリを解析したデータをもとに、こういうのどう?という「オススメ機能」(リコメンド)があったり、もっと音楽を楽しむという仕掛けが欲しいと思う次第。(last.fmは再生した楽曲をもとに、これとこれを聴いているなら、これもオススメという機能があって重宝しています)
そういう意味で、Spotify が日本でサービス開始する方に興味を持っています。


すでに多くのブログで iTunes Match で「ロンダリング」できちゃった話や、これって著作権法上どうなの?という問いかけもなされています。

MYUTA、まねきTV、ロクラクでの判決を考えるとどうなんだろうと。
(TPP締結しちゃえば、ISD条項を駆使されて日本側の主張は弾かれるから問題ないのかな)

 iTunes Match、日本ではずいぶん待たされたし、USでの利用料金より高くなったけど、どこまで定着するんでしょうか。
音楽を買わないって人が増えている現状(YouTubeで済ませるって人の増加)、定額制のストリーミングサービスも数社がサービスを開始しているけど、身近な範囲で使っているって人と出会えていない現状を考えるとそう簡単にはいかないように思えます。
(Music Unlimitedって実際にどういう人がどのように使っているんだろうか、という謎が)
Napster の撤退をすでに経験しているわけだし、電子書籍の販売元が店を畳むと買った本が読めなくなるという事象がすでに起きてるじゃないですか。
早々に休止ってことにならないでほしいな、とは思っていますけどね。

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